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OfficeにUAC現る~XPからようやくWindows 7 x64へ(4)

一、
 Windows 7は、SP1が出たとはいえ、安定性においてはまだまだXPに及ばない。
 思いもよらぬ挙動を示し、慌てさせてくれる。

二、
 Win 7では、Microsoft OfficeのXP(2002年)や2003であっても、SP3に更新すれば使えるのは、ありがたいと以前書いたが、xlsファイルをダブルクリックあるいは右クリックから開こうとすると、なぜかExcel 2010が起動する。docファイルからも、Word 2002ではなく2010が開く。ファイルの関連付けには問題はないように見える。

 「コントロールパネル」の「プログラムと機能」から、Microsoft Office XP Personalの「修復」を試みた。CD-ROMを指示に従って挿入。
 ところが、こともあろうに「インストール中に致命的なエラーが発生しました」とお出でなすった。チ、チメイテキ! 驚かせてくれるではないか。

 仕方なく、一旦Officeをアンインストールし、再度インストールし直すことにした。
 その後、更新プログラムのSP3をインストール。さらに、Office XP用の更新プログラムを確認し、十数個の更新プログラムをインストールする。

三、
 無事に、再インストールと更新が済み、これでエラーも修復されたはず。
 取り敢えず、Excel 2002をクリックしてみる。
 なんと、ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログボックスが現われた。
 「次のプログラムにこのコンピューターへの変更を許可しますか?」と。
 これは、いったいどういうことなのか。

 いぶかしく思いつつ、xlsファイルから起動してみると、今度は、
「プログラムにコマンドを送信しているときに、エラーが発生しました」と宣告され、Excelが起動しない。

四、
 ともかく、ウェブで検索をかけてみる。
 Win 7で2003以前のOfficeを使っていて、これと似た症状に困惑している人が多く見られたが、なかなか解決策を見つけられないまま、2010などに乗り換えたという人も少なくない。
 その中に、Excelの右クリックから、「プロパティ」の「互換性」タブを開くと、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックが入っていたので、それを外せば解決したという報告が挙がっていた。

 早速、私のExcel 2002を右クリック、「プロパティ」→「互換性」を開いてみたが、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックは入っていなかった。しかし、「互換モードでこのプログラムを実行する」にグレーのチェックが入っていた。ここをチェックした覚えはない。そのウィンドウの最下部にある「すべてのユーザーの設定を変更」をクリックして、この項目をアクティブにし、チェックを外した。
 すると、上記の症状は治まった。

 Excelの実行ファイルに辿り着けない方は、スタート・メニューなどにあるExcelのショートカットの右クリックからでも「互換性」タブを開くことができるので、同様の症状にお困りの方は、試してみてください。

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【追記】
 これでめでたしめでたし、と思いきや、依然としてxlsやdocファイルをクリックすると、Excel 2010とWord 2010がそれぞれ起動する。これは、一体…。
 よくよく調べてみると、複数のバージョンのOfficeを併用することに関して、大変な思い違いをしていたことが分かった。
 長くなるので、項を改めることにしました。「複数のOfficeの併用について~XPからようやくWindows 7 x64へ(4)の追記」を御覧下さい。

tag : OfficeXPExcelWord2002UAC互換性2010複数のバージョン併用

SSDでSecure Eraseを試す【追記あり】

一、
 RealSSD C300(64GB×2、RAID 0)にWindows XPのシステムを移転したが、なぜか書き込み側が日に日に遅くなっていくのである。パーティション・アラインメントを施してあるにもかかわらずである(その経緯について興味のある方は、「RAIDのHDD上のXPをSSDに移植する」を御覧下さい)。
 そこで、CMRRのHDDerase(version 4.0)を試してみることにした。
 使い込んだSSDに対してこのプログラムによりSecure Eraseを実行すると、アクセス速度については、ほぼ購入時の状態にまで戻せるという。ただ、使い始めたばかりのSSDに効果があるものなのか、疑問ではあったが。

【追記】:Secure Eraseに関して改めて調べてみたので、こちらの記事「Secure Eraseとは」及び「フォーマット、その1~物理フォーマット」も御覧下さい。

二、
 早速、HDDeraseをCenter for Magnetic Recording Research【名称が変更されている】 Center for Memory and Recording Researchのサイトからダウンロードしてみる(そのリンク先の「Download Freeware Secure Erase Utility」をクリック)。
 ところで、このWebページには、「CMRRはこのプログラムに対して技術的なサポートを提供しません」という注意書き以外にほとんどHDDeraseに関する記述がない。フリーウェアとはいえ、あまりにも閑散としたページに少し不安を感じ、「About CMRR」のページを覗いてみた。

 Center for Magnetic Recording Research Center for Memory and Recording Research (CMRR)とは、米国の磁気記録業界関連会社の共同企業体によって1983年に設立された団体で、カリフォルニア大学サンディエゴ校のキャンパス内にあって、磁気記録装置の最新技術の増進を図り、高度の訓練を受けた専門家等を育成することを目的として運営され、スポンサー企業、政府機関、大学間の共同研究の仲介役も果たしているという。

 なるほど、ここが提供するプログラムならば、信頼できるに違いない。
 ということで、Secure Erase Utilityをダウンロードする。ファイルは、「HDDEraseWeb.zip」である。
 HDDeraseの詳細については、そのページにあるReadMe(これと同じファイルがHDDEraseWeb.zipにも
同梱されている)やSecure Erase Q & Aを御覧ください。

三、
 以下は、私の行ったHDDeraseによるSecure Eraseの実行手順である(逐次的な手順の説明はこちらも御覧下さい。)。
 但し、Indilinx製コントローラを搭載するSSDは、HDDEraseだけではSecure Eraseを行なえないことがあるらしい。その場合は「HDAT2」というソフトを併用する方法があるようだが、それについては[http://www.dosv.jp/other/0910/05.htm]を参照されたし。

 1、まず、フロッピーの起動ディスクを作成しておく。フロッピーをFDDに入れ、エクスプローラでフロッピーを
  右クリックし、フォーマットを選択。「MS-DOSの起動ディスクを作成する」にチェックを入れて「開始」をクリック。
  そして、HDDEraseWeb.zipを適当なフォルダに解凍し、その中のHDDERASE.EXEを起動ディスクの
  フロッピーにコピーして保存する。
  FDDがない場合は、解凍した中のHDDErase.isoをCD-RW等に焼けばよい。
 2、次に、OS等の入ったSSDをディスクごとTrue Image等でバックアップしておく。
 3、再起動後、BIOSに入り、SATAポートをLegacy IDEモード又はCompatible IDEモードに切り替える。
  こうしておかないと、HDDEraseの実行中、ドライブの選択画面に進まない。
  忘れずに、First Boot DeviceがFloppy(又はCDROM)になっていることを確認。
 4、再起動。フロッピーを挿入。
  A:\>と表示されたところで、[hdderase]と入力し、Enterを押下。
  注意書きなどが表示され、「Do you want to proceed? (Y/N)」あるいは「Do you agree? (Y/N)」
  などと聞かれるので[Y]を3度ほど入力。
 5、ドライブ選択画面が現われる。
  SSDの1台を選択。続いてSecure Erase又はEnhanced Secure Eraseを選ぶことになる。

 ※ Enhanced Secure Eraseが実行可能であれば、「This drive supports enhanced secure
  erase」と表示される。両者の違いについては、ReadMeにこうある。
  「Secure Eraseは全てのユーザ・データ領域を2進数のゼロで上書きをする。Enhanced Secure Erase
  は、予め決められた(製造者によって設定された)データ・パターンを、再割当のためにもはや使用されないセク
  タを含む全ユーザ・データ領域に書き込む。」と。
  「Enhanced」とあるのであるから、Enhanced Secure Eraseを選択してみた。

 6、ここで、何やらよく分からないメッセージが出現。
    「Factory default maximum address does NOT equal
    the maximum LBA address currently set!!!

    Special diagnostic areas, HPA and/or DCO exist on the drive.
    Total size of these areas is: XXX sectors
    HPA/DCO area successfully removed, all sectors will now be erased.」

  HPA? DCO? これらは何なのか、不明であったが、「エーイ!」。
  了承して、Secure Eraseを実行した。2分ほどで終了。

 ※ あとで慌てて、HPAとDCOについて調べた。ReadMeには、以下のように記されている。
  「Host Protected Area(HPA)とは、HDDの最後尾にあるセクタの一部であり、ユーザによってアドレス
  指定することができない部分である。通常、この領域はHDDの診断あるいはリカバリー関連のソフトを保存する
  ために使用されているが、この領域にはどのタイプのデータでも置くことができる。
  Device Configuration Overlay(DCO)も、HPAと類似したものであり、ユーザがアクセスできないHDD
  の最後尾にある部分を表している。これらの領域はともに、WindowsのフォーマットやSecure/Enhanced
  Erase、あるいはその他の如何なる上書き方法が実行された場合でも、上書きされることはない。これらの
  領域を消去するためには、これらを最初に取り除かなければならない。それからでなければ、完全なドライブの
  消去はできないのである。」(抄訳)と。

   さらに「選択したドライブにHPA及び(又は)DCOが存在する場合、メッセージが現われ、その領域を消去したい
  かどうかをユーザに促す。了承すれば、HPA及び(又は)DCOは、それぞれ設定された最大アドレス指定とデバイ
  ス設定復元コマンドを介して削除される。続くSecure Eraseは、そのあとで、ドライブ全体を消去する。
  拒否すれば、HPA及び(又は)DCOはそのまま残り、次のSecure EraseがHPA/DCOを消去しうるか否かは、
  ドライブのメーカー次第である。CMRRのSecure Erase実施要綱では、ユーザのアクセス可能な全ての記録
  のみを消去することが義務づけられている。」(抄訳)とある。

  しまった!HPA・DCOは残すべきであったのか。
  削除してしまったものは仕方がない。

 ※ また、HPA,DCOについて、'Hidden Disk Areas: HPA and DCO' (Mayank R. Gupta,  
  Purdue University准教授他、「International Journal of Digital Evidence」2006年)に
  よると、
  「Host Protected Area(HPA)とは、定義としては、HDD上に留保された領域であるといえる。それは、
  ユーザ、BIOS又はOSによって容易には改変、変更又はアクセスできないような方法で情報を保存するように
  設定されている。この領域は、ブート・セクタ・コードと同様、HDDユーティリティから診断ツールに及ぶ広汎な
  情報を含むことができる。現在のHDDの多くに存在する付加的な隠し領域が、Device Configuration
  Overlay(DCO)である。DCOによって、システム・ベンダーは異なるメーカーから異なる可能性のあるサイズの
  HDDを購入することができるのであり、さらに全てのHDDが同じセクタ数になるように設定することもできるのであ
  る。その一例が、80GBのHDDをOSとBIOSの両方に対して60GBのHDDに見えるようにするためにDCOを使用
  していることであろう。」(抄訳)と説明されている。

  なるほど、やはり、DCOなどは削除してはならないようである。

 7、続けて、もう1台のSSDを選択。Enhanced Secure Eraseを実行。こちらは、すんなりと完了。
 8、Secure Erase終了後の再起動はリセットボタンで行う。
  BIOSに入り、手順3で変更した項目を元の「RAID」に戻す。
 9、再起動後、RAID BIOSに入り、再び、SSD 2台をRAID 0に設定し直す。
 10、再起動。True ImageのBootable CDを起動して、最初にバックアップしておいたOSの入ったディスク
  全体を復元。
 11、再起動。BIOSで、Boot順を確認。無事、XP起動。

四、
 さて、SSDの具合はどうであろうか。
 Secure Erase実行前後のCrystalDiskMarkを挙げておく(SATA 3Gb/s接続)。
 左が実行前、右が実行後である。
 尚、テストサイズを1000MBから100MBに下げたのは、SSDには書き換えの寿命があることを考慮したからである。

  Secure Erase前  Secure Erase後
 御覧の通り、読み出しにはほとんど変化は見られないが、ランダムの書き込みは著しく向上している。
 これは、おそらく最初にSecure Eraseを実行した1台の「デフォルトの最大addressが、現在設定されている最大LBA addressと等しくない」ことが書き込みの遅くなった原因であり、Secure Eraseによってそれが是正されたことにより書き込み速度が回復したと考えられる。
 比較的新しいSSDであっても、このような場合には、Secure Eraseの効果はあるといえよう。

 以上は、昨年の秋頃に行ったことであるが、HPA・DCOを削除した影響はないように思えた。

五、
 ところが、である。
 最近、RealSSD C300のファームウェアが0007に更新されたことを知った。これらC300のファームウェアは0002のままであった。種々の改善が図られているようなので、早速、更新を試みた。
 しかし、なぜか、更新ができないのである。ちゃんと「Crucial.com Product Downloads - Firmware Updates」のページにある「Guide」に従って、0007への更新の前提である0006への更新を行っているはずである。別のWindows 7機のC300 2台(こちらはSecure Eraseを行っていない)は更新できたのであるから。
 何度やっても、「Finding drives . . .」が点滅したまま、一向にC300を見つけてくれないのである。

 定かではないが、HPA・DCOを削除してしまったからであろうか。(これについては、下の【追記】を御覧ください)

 いずれにしろ、Secure Eraseを行う場合は、HPA・DCOを削除しないように気を付けてください。

【※ 不正確な記述がありましたので訂正しました。2012.2.10】
【※ リンク先のURLの変更に応じて訂正を行いました。2013.10.27】

【追記】:さらに簡便で制約の少ないSecure Erase実行ソフトとしてParted Magicがある。
これについては「Parted Magicについて」をご覧下さい。(2014.11.13)

続きを読む

tag : SecureEraseHDDeraseHPADCOCMRR

プロフィール

そんぷうし ふうえん

Author:そんぷうし ふうえん

忙中閑は、こっそりと見出す。
カミさんと子どもたちが寝静まるのを待って、夜な夜なPCの前に端座し、その不可思議なる箱の内奥にそっと手を入れては、悦に入る日々なのであります。
時としてその手はPC以外の内奥にも。


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