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UltraDMA CRC エラーとマザーボード交換

一、
 以前、「PIO病に悩まされて」という記事で、UltraDMA CRCエラーがSATA電源ケーブルの不具合によって発生したと思われる事例を取り上げた。その時に、不具合は解消したものと思っていた。
 ところが、その問題となった2台のHDDが再びUltraDMA CRCエラーに見舞われていた。その記事にあるようにPIO病対策を施していたので、DMAからPIOへ転落することがなかったため気付くのが遅れた。S.M.A.R.T.情報を見ると、UltraDMA CRC Error Countの生の値が、それぞれ10進数で14684⇒14892、12807⇒19725に増加しているのである。もう1台のOSを入れたHDDは、その値に変化はなかった。

 試しに4個のファイルで約8GBのデータをそれぞれのHDDに「貼り付け」てみた。
 OSの入ったHDDの数値は変わらず、他の2台の数値は、14892⇒14914、19725⇒19837に。当然ながら、エラー訂正のためリトライするので、転送時間が延びる。

 ともかく、このまま放っておく訳にはいかない。原因を探らなければならない。

① 改めて、SATA電源ケーブルを交換してみる。
② 電源そのものを交換する。
③ 再度のメモリテスト。
④ SATAケーブルを交換。

 いずれも功を奏さず、全く改善がみられない。

⑤ 両HDDにDrive Fiteness Test(DFT)を行なってみる。
 稀にHDDの基板の故障によりUltraDMA CRCエラーが生じる場合があるらしいので、長時間かけてDFTのAdvanced Testを行なったが、結果は双方とも「0x00」、"No Error"であった。

⑥ 残るはマザーボードである。
 マザーボードを取り外し、ケース外で、CPU、メモリ、HDD、モニター、キーボード、マウス及び電源のみの構成でテストすることにした。
 だが、何故かモニターに何も映し出されなくなった。CPUとメモリとモニターと電源の最小構成でも、一度だけPOST画面が出たが、それ以後はまさにウンともスンとも。CMOSクリアを行なっても駄目であった。

 これは、マザーボードに問題があったということであろう。何度かコネクタ類の抜き差しを行なっている内に徐々に病状は重篤となり、ケース外に出す際にとどめを刺す何かが起こったのであろうか。

二、
 そこで、マザーボードの交換である。BIOSTARのG31-M7 TE(Ver. 6.4)から、同社のG31M+(Ver. 6.2)に買い替えることにした。

 さて、ここで問題になるのは、マザーボードを交換した場合に、OSは、そのまま使えるのか、再インストールしなければならないのかである。しばしば聞くのは、マザーボード交換の場合、OSを再インストールした方がよいという意見である。

 新母板にCPU、CPUクーラー、メモリを載せ換え、ケースに入れる前にモニター、キーボード、電源だけで起動させてBIOSの設定を交換前と同様にした後、ケースに収め、DVDドライブ、FFD、そしてHDD3台をそのまま接続して電源を投入。OSは、XP Professional SP3であるが、難なく立ち上がった。

 起動直後、「新しいデバイスが見つかりました」云々というメッセージが出るが、マザーボード付屬のCDからいくつかのドライバをインストールし、それらドライバに関する必要な設定変更を行えば事足りた。再アクティベーションも求められることはなかった。

 この場合、両母板のチップセットが同じであり、構成もほとんど同一であることから、うまくいったとも言える。

 しかし、DOS/V POWER REPORT 4月号(2012年)には、OSがWindows 7 SP1 64bitの例であるが、LGA775環境からLGA1155環境、LGA2011環境、さらにはAMDのSocket FM1環境に、つまりマザーボードのみならずチップセットやCPUやメモリ、ビデオカードまでもが全く異なる環境に移行させても、OSはそのまま使うことができたという事例が紹介されている(P136)。ただその際、気を付けなければならないのは、新環境のストレージの動作モードは旧環境のそれと同一にしておく、ということである。例えば、旧環境がAHCIモードであれば、新環境もAHCIモードにしておかなければ、OSは起動しない。

 また、これらの場合の多くは、やはりアクティベーションが要求されるようである。因みに、MicrosoftのアクティベーションはNICが変更された場合に、要求されるという報告をウェブで見かけたことがある。

 もっとも、「RAMディスクなど、ハードウェアに密接にかかわるツールやドライバをインストールした状態だと、移行作業がうまくいかないときも」あるようである。そのような移行の妨げになる恐れのあるソフトは、移行前にアンインストールしておき、移行後にインストールし直せばよいであろう。

 ついでに、マザーボード故障の原因が電源であったとも考えられるので、大事をとって電源も交換した(ケース付屬のSCYTHEのSCY-450T1-PH12から玄人志向のKRPW-L3-400Wに)。

三、
 こうしてマザーボードを一新した後、改めて問題のHDDに前述と同様のデータを転送してみた。

 それぞれのHDDのUltra DMA CRC Error Countの生の値は、15116、20613から全く増加しない。数回繰り返してみたが、値は変わることはなかった。

 これで、悩まされ続けたUltraDMA CRCエラーからようやく解放されることになった(はず?)。

 UltraDMA CRCエラーが発生した場合、HDD自体、メモリ、電源及びケーブル類がその原因でないとなれば、必定原因はマザーボードにあるということになろうが、前述のようにマザーボードを交換した場合であっても、OSはそのまま使用しうる可能性が高いので、たじろぐことなくマザーボードの交換に挑んでみてはいかがでしょうか。

【追記】:なお、IntelのICHxRなどによるRAIDの場合には、従前のOSが入ったRAIDを構成していたSSDやHDDをそのまま使うことはできないので、一工夫が必要となる。それについては、後日、LGA1366からLGA2011へ移行するときに試してみたい。


【追記】:そう思って、Intel X58チップセットでRAID0に組んだWindows 7 x64のSSD 2台をX79チップセットのマザーボードに載せ替えようとしたが、無理なようである。X58のチップセットドライバはRapid Storage Technology(RST)だが、X79のドライバは Rapid Storage Technology enterprise(RSTe)であり、RAIDを構成する場合は、ご存知のようにOSをインストールする前にそのF6ドライバを予め読み込んでおかなければならないからである。両チップセットのドライバが異なることは知らず、X79のマザーボードを新たに購入して気付いた次第である。


【追記】:ところが、X79のチップセットドライバについては、さらにややこしい事情があり、或るバージョン以降のRSTならば利用可能なのである。そのあたりも含め、マザーボードについては、「X79のブルースクリーン問題」「X79のマザーボード交換」を御覧下さい。

tag : UltraDMACRCエラーErrorCountPIO病マザーボード交換

msconfig.exeが開かない

 ある必要からmsconfig.exeを実行しようとしたところ、「システム構成を実行するために必要な特権を持っていません。Administratorsグループのメンバーとしてこのユーティリティを実行してください。」というメッセージが現れ、msconfig.exeを開けることができないという症状に、我がWindows7が侵されていた。たしか以前、スタートアップの確認のために覗いたことがあるはずである。

 [管理者として実行]しても同じメッセージが現れるだけである。[スタート]をクリックし、[プログラムとファイルの検索]の欄に’C:\Windows\System32\msconfig.exe’と入力してEnterを押下しようと、[コントロールパネル]⇒[管理ツール]⇒[システム構成]をクリックしようと同様である。

 これについてウェブに検索をかけてみると、msconfig.exeが開かないという現象に対して様々な対処法が挙がっている。片っ端から試してみる。

● F8キー起動からSafe ModeでOSを起動してみるが、同じくmsconfig.exeは開かない。また、[コンピューターを修復する]⇒[システム回復オプション]も試してみるが、問題なしとなり、改善しない。

● システムファイルチェッカーツール(SFC.exe)を使って、コマンドプロンプトで’sfc /scannow’を実行してみるも、「Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。」となる。

● さらに、コマンドプロンプトで’takeown /f C:\windows\system32\msconfig.exe’を入力して所有者となり、続けて’icacls C:\windows\system32\msconfig.exe /grant administrators:F’を実行してフルコントロールのアクセス許可を付与してみても、一向に変化なし。

● スパイウェアが原因でmsconfig.exeが開かないこともあるらしく、「ComboFix」というスパイウェア駆除プログラムで解決したという事例を見かけたので、可能性は低いと思いつつ、試してみたが、やはり効を奏しなかった(このプログラムは、少し扱いに注意が必要で、しかも、かなりレジストリに修正ないし改変を加えるようなので、ComboFixを提供するサイトにある取扱説明等をよく読んで使用して下さい)。

● セキュリティソフト(McAfee)を専用の削除ツールで完全にアンインストールしてもみたが、無駄であった。


 致し方なく、True Imageを使って直近のバックアップからリカバリをして行き、正常にmsconfig.exeが開くまで遡ることにした。
 ところが、遡れども遡れども「正常」にたどり着かない。ようやく、正常にmsconfig.exeが開いたのは、9か月前のバックアップからのリカバリであった。

 そこからそれ以降に追加したディバイスのドライバやソフトを改めてインストールし、種々の設定変更を行い、Windowsの更新プログラムやセキュリティソフトを始めとする様々なソフトの更新を適用していかなければならないことを考えると、暗澹たる思いであった。いっそOSをクリーンインストールしようかとも考えた。

 しかし、まだやれることはあるはずである。msconfig.exeが正常に開く状態のWindows7のレジストリを覗いてみた。regedit.exeを起動し、「msconfig」で検索をかけてみる。

 すると、その症状が出ているWindows7のレジストリにはないキーを見つけた。[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Shared Tools\MSConfig]である。そもそも[Shared Tools]というキーがない。そのキーには[MSConfig]の他に[Msinfo]と[Stationery]というサブキーも含まれていた。この[Shared Tools]キーを症状の出ているOSのレジストリにインポートしてみることにした。
 [Shared Tools]キーをOSが入っているストレージとは異なるストレージに通常のレジストリファイルとしてエクスポートしておき、再びバックアップから現在の不正常なディスクに戻した後に、そのレジストリにインポートした。

 これが駄目ならクリーンインストールも止むなし、と腹を決めていた。再起動後、図らずもmsconfigが開いた。

 歓喜雀躍、狂喜乱舞。

 ここ1週間ほど、打つ手打つ手が功を奏さず、夜な夜な煩悶し続けていた。

 これと同様の現象にお困りの方は、お試し下さい。
 バックアップから正常なOSにたどり着けない場合は、OSの再インストールから正常な[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Shared Tools]キーを探してみられてはいかがでしょうか。むしろその方が手っとり早いかもしれません。
 なお、この[Shared Tools]キーは、レジストリ内の方々にありますので、くれぐれも場所を間違えないように。その中にある[MSConfig]キーの存在確認は怠りなく。もちろん、なにぶんレジストリの変更は危険が伴うものですから、常にCD又はDVDから任意のリカバリができるようにしておくことは、言うまでもありません。

 もっとも、くだんのレジストリキーがなぜ消失してしまったのかは、不明のままであるのだが…。

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(English)
'Cannot open msconfig.exe'

I was annoyed that a message, "You do not have sufficient privileges to run system configuration. Please run this utility as a user in the administrators group.", came out each time I tried to run msconfig.exe on Windows 7. But I was able to open msconfig.exe by the following measure.

First, Run 'regedit.exe' and see if [HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE/Microsoft/Shared Tools/MSConfig] exists. Unless it exists, you could resolve the issue by this measure. In my case that [Shared Tools] key does not exist.

Backup the current system disk and reinstall Windows 7. Run 'regedit.exe' there and get to [HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE/Microsoft/Shared Tools] and export the key, [Shared Tools], to an external storage. Then put back the original failed system by using that backup and import this file to its registry.

It goes without saying that this measure would be valid insofar as the rest of the system has no error.

tag : msconfig.exeSFCComboFixシステム構成を実行するために必要な特権privilegeAdministrator

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そんぷうし ふうえん

Author:そんぷうし ふうえん

忙中閑は、こっそりと見出す。
カミさんと子どもたちが寝静まるのを待って、夜な夜なPCの前に端座し、その不可思議なる箱の内奥にそっと手を入れては、悦に入る日々なのであります。
時としてその手はPC以外の内奥にも。


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