ロジクールと東プレのキーボード
一、
ロジクールのIlluminated Keyboard CZ-900を4年近く使用してきたが、この度新たに東プレのREALFORCE 108UBK(SJ08B0)を購入することにした。CZ-900のパームレストのゴムが少しべとつき始めたからである。
CZ-900はしばらく在庫切れとなっていたが、今年2013年6月より新たにIlluminated Keyboard k740として販売されているようである。その製品画像や仕様等を見る限りは、ほぼ同一のものと思われる。おそらく販売再開の要望が多かったためと思われるものの、なぜ型番を変え、しかもCZ-900の再販売であること、あるいはその改良型であることを謳っていないのか、不思議である。
それはともかく、CZ-900(おそらくk740)が素晴らしいキーボードだということを日々実感してきた者としては、それと定評あるREALFORCE 108UBKとがどう違うのか、3か月ほどじっくりと使ったところで、両者の使い心地などの相異についてあれこれ綴ってみたい。

ちょっと年季が入っているIlluminated Keyboard CZ-900

まだまだ初々しいREALFORCE 108UBK (SJ08B0)
二、
Illuminated Keyboard CZ-900(k740)のキーピッチは19mm、キーストロークは3.2mm、押下圧(押下荷重)はすべて55gであり、キー構造は「PerfectStrokeキーシステム」というロジクール独自のパンタグラフ方式で、「精密なマイクロシザー構造によりキー表面に均等に力が伝わる」(Logicoolのサイトより)ようにしてあるという。
一方、REALFORCE 108UBKは、キーピッチは19.1mm(東プレのサイトではキーピッチの記載を見つけることができなかったので、Amazonの当該品の仕様にあった数値を挙げておく)、キーストロークは4mm、キー荷重はいわゆる「変荷重」で、30g・45g・55g、±15gとされており、キーは静電容量無接点方式という名前からはその構造をイメージすることすら困難なスイッチ方式にラバードーム(カップラバー)内に円錐スプリング(コニックリング)を組み込んだ構造が採用されている。このカップラバーを違う弾力のものに変えることによって、キーの荷重を変更できる、とのことである(ITmediaニュース:「速く打てて疲れにくい」キーボードの秘密――東プレのRealforce 106)。
さて、両者の比較である。
キーピッチは双方ともほぼ同じであり、19mm前後がタイピングには最適な値なのであろう。
キーストロークは、CZ-900(k740)の3.2mmに対し、108UBKは、4mmと深いが、2~3mmの押下で反応するため底まで打つ必要がなく、高速タイピングには適しているとされている。にもかかわらず、底までしっかりと押したい私には、やはり4mmは少し深い気がする。CZ-900(k740)の3.2mmあたりが打ち心地はよいと感じる。
キー荷重(押下圧とも押下荷重とも表記される)につき、何といっても特筆すべきは、108UBKの「変荷重」である。「主要部が45gで小指入力するキーの一部は30gになって」(Topreのサイトより)おり、その他は55gということになる。但し、どのキーが何gになっているかは正確には公表されていないようである。ともあれ、全55gのCZ-900(k740)に比べると小指で打つキーは明らかに軽いと感じる。就中、右小指で多用されるEnterキーを初めて打ったときは、思わず唸ってしまった。
かつて、価格.comにCZ-900のレビューとして、キーは重めが好きなのでこのキーボードの55gは私には快適だというようなことを書いた。しかし、やはり力のない小指には55gは重過ぎであり、30gの108UBKは小指への負担が少なく、長時間打った後の小指の疲れは、当然55gのものよりも低減されることになる。
キーの構造上止むをえないことではあろうが、108UBKよりCZ-900がキーのふらつきは少なく、かっちりとしており、キーに触れたときの感触は、後者の方が好みである。
デザインはと言えば、透明のラインで縁取りされ、ラバーコーティングされたパームレストが緩やかなカーブを描く薄型のボディに、その名が示すようにイルミネイトされたキートップの文字が浮かび上がるCZ-900(k740)と、オーソドクスで武骨ともいえる佇まいの108UBKとは対照的であり、好みの分かれるところであろう。とはいえ、それぞれの特色ある機能を体現したデザインは、それぞれに相応しく、ともに好ましく私には思える。
ただ、ラバーコーティングは経年変化によってどうしてもべとつきが出てしまうので、触れることの多い製品には使うべきではないのではないかとかねてから思っている。今回のREALFORCE購入のきっかけもそれであり、子どもに譲ったノートPCの一台も、キートップがラバーコーティングされたものであり、やはりねばねばし始めたため、通常のキーボードを何とかヤフオクで手に入れて交換するという手間を要した。メーカーに再考を促したいと思う。
また、REALFORCEの採用するステップスカルプチャーについては、キーの各列の傾斜をよりタイプし易い角度に最適化したという。これは、単なる外観の見栄えとは異なる工業デザインにおける、キーボードの本質に関わる製品価値に対する東プレのこだわりの表れの一つとして、高評価を与えることができる。
さらに、キーの寿命においては、REALFORCEは静電容量無接点方式の採用により、接点が接触によって摩耗することがないため、チャタリングを起こすこともなく、3000万回以上の打鍵に耐えうるとされ、1000万回とするCZ-900(k740)を大きく引き離している。両者の価格差を考慮するにしても、耐久性の点では、REALFORCEに分があるといわざるをえない。
総じて、Illuminated Keyboard CZ-900(k740)は打鍵感(キータッチ)のよい静かなキーボードであり、REALFORCE 108UBKは現在望みうる最も快適かつ快速のキーボードの一つであるということができ、双方ともに優れたキーボードであると評しうる。後者を主に使うことになるとしても、前者も捨て難く、両者を気分によって使い分けるということになろうか。
三、
このREALFORCE 108UBKを手にした記念に、インターネットでタイピング練習が行えるe-typingというサイトで「腕試しレベルチェック」に挑戦してみた。何度かトライしてみたものの、「平均スコア」を超えることはできなかった。タイピングの専門家やタイピングマニアの凄さを改めて思い知ることになった。
ただ一つ言い訳することを許して頂くならば、一般的なローマ字入力と私が日頃用いているローマ字入力は異なっているということである。
一般的なローマ字入力では「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と入力するには、「ra」、「ri」、「ru」、「re」、「ro」と打たなければならないが、私は「la」、「ri」、「ru」、「le」、「ro」と打つのである。
MS-IMEでもATOKでも初期設定では、「la」、「li」、「lu」、「le」、「lo」は、「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」と入力されるようになっている。だがしかし、私は必ず「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と「りゃ」、「りぃ」、「りゅ」、「りぇ」、「りょ」は、「la」、「li」、「lu」、「le」、「lo」と「lya」、「lyi」、「lyu」、「lye」、「lyo」でも入力できるように設定を変えているのである。私のすべてのPCは「ら行」を「r」でも「l」でもどちらでも打てるようにしてあるのである。
そのようにIMEの設定を変更したとしても、単独で小書きの「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」、「ゃ」、「ゅ」、「ょ」を打つ必要がある場合には、通常「xa」、「xi」、「xu」、「xe」、「xo」、「xya」、「xyu」、「xyo」でも入力することができるのであるから不都合はない。
その昔読んだタイピングに関する本に、可能な限り左右の指を交互に打つ方が快適で効率的なタイピングができるとされ、「ら」は右手で「l」左手で「a」、「り」は左手で「r」右手で「i」、「る」は左手で「r」右手で「u」、「れ」は右手で「l」左手で「e」、「ろ」は左手で「r」右手で「o」と打てるように設定を変更しておくのが望ましいとしるされていた。
素直な私はこの奨めに従って、直ぐさま当時使っていたワープロ専用機の設定を変更した。以来20年以上にわたって、かたくなにこれを励行してきたのである。
そのため、一般的なローマ字入力では、「ら」「れ」「りゃ」「りぇ」はミスタイピングとなり易く、「ら行」を意識するあまりリズムが狂って他のミスタイピングも増えることになり、だから……。
と書いてはみたものの、ランキング上位者のスコアを見れば、おのれのタッチ・タイピングの技量の低さ、未熟さは歴然としている。高速タイピングを密かに自負していた愚かな自惚れを戒めているところである。
ロジクールのIlluminated Keyboard CZ-900を4年近く使用してきたが、この度新たに東プレのREALFORCE 108UBK(SJ08B0)を購入することにした。CZ-900のパームレストのゴムが少しべとつき始めたからである。
CZ-900はしばらく在庫切れとなっていたが、今年2013年6月より新たにIlluminated Keyboard k740として販売されているようである。その製品画像や仕様等を見る限りは、ほぼ同一のものと思われる。おそらく販売再開の要望が多かったためと思われるものの、なぜ型番を変え、しかもCZ-900の再販売であること、あるいはその改良型であることを謳っていないのか、不思議である。
それはともかく、CZ-900(おそらくk740)が素晴らしいキーボードだということを日々実感してきた者としては、それと定評あるREALFORCE 108UBKとがどう違うのか、3か月ほどじっくりと使ったところで、両者の使い心地などの相異についてあれこれ綴ってみたい。

ちょっと年季が入っているIlluminated Keyboard CZ-900

まだまだ初々しいREALFORCE 108UBK (SJ08B0)
二、
Illuminated Keyboard CZ-900(k740)のキーピッチは19mm、キーストロークは3.2mm、押下圧(押下荷重)はすべて55gであり、キー構造は「PerfectStrokeキーシステム」というロジクール独自のパンタグラフ方式で、「精密なマイクロシザー構造によりキー表面に均等に力が伝わる」(Logicoolのサイトより)ようにしてあるという。
一方、REALFORCE 108UBKは、キーピッチは19.1mm(東プレのサイトではキーピッチの記載を見つけることができなかったので、Amazonの当該品の仕様にあった数値を挙げておく)、キーストロークは4mm、キー荷重はいわゆる「変荷重」で、30g・45g・55g、±15gとされており、キーは静電容量無接点方式という名前からはその構造をイメージすることすら困難なスイッチ方式にラバードーム(カップラバー)内に円錐スプリング(コニックリング)を組み込んだ構造が採用されている。このカップラバーを違う弾力のものに変えることによって、キーの荷重を変更できる、とのことである(ITmediaニュース:「速く打てて疲れにくい」キーボードの秘密――東プレのRealforce 106)。
さて、両者の比較である。
キーピッチは双方ともほぼ同じであり、19mm前後がタイピングには最適な値なのであろう。
キーストロークは、CZ-900(k740)の3.2mmに対し、108UBKは、4mmと深いが、2~3mmの押下で反応するため底まで打つ必要がなく、高速タイピングには適しているとされている。にもかかわらず、底までしっかりと押したい私には、やはり4mmは少し深い気がする。CZ-900(k740)の3.2mmあたりが打ち心地はよいと感じる。
キー荷重(押下圧とも押下荷重とも表記される)につき、何といっても特筆すべきは、108UBKの「変荷重」である。「主要部が45gで小指入力するキーの一部は30gになって」(Topreのサイトより)おり、その他は55gということになる。但し、どのキーが何gになっているかは正確には公表されていないようである。ともあれ、全55gのCZ-900(k740)に比べると小指で打つキーは明らかに軽いと感じる。就中、右小指で多用されるEnterキーを初めて打ったときは、思わず唸ってしまった。
かつて、価格.comにCZ-900のレビューとして、キーは重めが好きなのでこのキーボードの55gは私には快適だというようなことを書いた。しかし、やはり力のない小指には55gは重過ぎであり、30gの108UBKは小指への負担が少なく、長時間打った後の小指の疲れは、当然55gのものよりも低減されることになる。
キーの構造上止むをえないことではあろうが、108UBKよりCZ-900がキーのふらつきは少なく、かっちりとしており、キーに触れたときの感触は、後者の方が好みである。
デザインはと言えば、透明のラインで縁取りされ、ラバーコーティングされたパームレストが緩やかなカーブを描く薄型のボディに、その名が示すようにイルミネイトされたキートップの文字が浮かび上がるCZ-900(k740)と、オーソドクスで武骨ともいえる佇まいの108UBKとは対照的であり、好みの分かれるところであろう。とはいえ、それぞれの特色ある機能を体現したデザインは、それぞれに相応しく、ともに好ましく私には思える。
ただ、ラバーコーティングは経年変化によってどうしてもべとつきが出てしまうので、触れることの多い製品には使うべきではないのではないかとかねてから思っている。今回のREALFORCE購入のきっかけもそれであり、子どもに譲ったノートPCの一台も、キートップがラバーコーティングされたものであり、やはりねばねばし始めたため、通常のキーボードを何とかヤフオクで手に入れて交換するという手間を要した。メーカーに再考を促したいと思う。
また、REALFORCEの採用するステップスカルプチャーについては、キーの各列の傾斜をよりタイプし易い角度に最適化したという。これは、単なる外観の見栄えとは異なる工業デザインにおける、キーボードの本質に関わる製品価値に対する東プレのこだわりの表れの一つとして、高評価を与えることができる。
さらに、キーの寿命においては、REALFORCEは静電容量無接点方式の採用により、接点が接触によって摩耗することがないため、チャタリングを起こすこともなく、3000万回以上の打鍵に耐えうるとされ、1000万回とするCZ-900(k740)を大きく引き離している。両者の価格差を考慮するにしても、耐久性の点では、REALFORCEに分があるといわざるをえない。
総じて、Illuminated Keyboard CZ-900(k740)は打鍵感(キータッチ)のよい静かなキーボードであり、REALFORCE 108UBKは現在望みうる最も快適かつ快速のキーボードの一つであるということができ、双方ともに優れたキーボードであると評しうる。後者を主に使うことになるとしても、前者も捨て難く、両者を気分によって使い分けるということになろうか。
三、
このREALFORCE 108UBKを手にした記念に、インターネットでタイピング練習が行えるe-typingというサイトで「腕試しレベルチェック」に挑戦してみた。何度かトライしてみたものの、「平均スコア」を超えることはできなかった。タイピングの専門家やタイピングマニアの凄さを改めて思い知ることになった。
ただ一つ言い訳することを許して頂くならば、一般的なローマ字入力と私が日頃用いているローマ字入力は異なっているということである。
一般的なローマ字入力では「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と入力するには、「ra」、「ri」、「ru」、「re」、「ro」と打たなければならないが、私は「la」、「ri」、「ru」、「le」、「ro」と打つのである。
MS-IMEでもATOKでも初期設定では、「la」、「li」、「lu」、「le」、「lo」は、「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」と入力されるようになっている。だがしかし、私は必ず「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と「りゃ」、「りぃ」、「りゅ」、「りぇ」、「りょ」は、「la」、「li」、「lu」、「le」、「lo」と「lya」、「lyi」、「lyu」、「lye」、「lyo」でも入力できるように設定を変えているのである。私のすべてのPCは「ら行」を「r」でも「l」でもどちらでも打てるようにしてあるのである。
そのようにIMEの設定を変更したとしても、単独で小書きの「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」、「ゃ」、「ゅ」、「ょ」を打つ必要がある場合には、通常「xa」、「xi」、「xu」、「xe」、「xo」、「xya」、「xyu」、「xyo」でも入力することができるのであるから不都合はない。
その昔読んだタイピングに関する本に、可能な限り左右の指を交互に打つ方が快適で効率的なタイピングができるとされ、「ら」は右手で「l」左手で「a」、「り」は左手で「r」右手で「i」、「る」は左手で「r」右手で「u」、「れ」は右手で「l」左手で「e」、「ろ」は左手で「r」右手で「o」と打てるように設定を変更しておくのが望ましいとしるされていた。
素直な私はこの奨めに従って、直ぐさま当時使っていたワープロ専用機の設定を変更した。以来20年以上にわたって、かたくなにこれを励行してきたのである。
そのため、一般的なローマ字入力では、「ら」「れ」「りゃ」「りぇ」はミスタイピングとなり易く、「ら行」を意識するあまりリズムが狂って他のミスタイピングも増えることになり、だから……。
と書いてはみたものの、ランキング上位者のスコアを見れば、おのれのタッチ・タイピングの技量の低さ、未熟さは歴然としている。高速タイピングを密かに自負していた愚かな自惚れを戒めているところである。
MN128-SOHO IB3からNVR500へ
一、
2003年から使い続けて10年になんなんとするルータ、NTT-MEのMN128-SOHO IB3もついにお役御免となった。この記事を書くに当たって、久方ぶりにNTT-MEのサイトを覗いてみると、奇しくも2013年6月30日をもってそのサポートは終了していた。このルータの耐用年数がまさに尽きていたということになる。
ISDN接続も可能で無線LAN機能を備えたブロードバンド・ルータをと探し求めて、発売されたばかりのこの機に巡り会った。SOHOという名が示すように一般用としては多機能過ぎて高価であったが、先々の使用にも耐えうるだろうと考え、意を決して購った。果たせるかな、その後10年近くも我がPCライフを支えてくれることとなった。
しかし、Windows XP機だけを使用している間は、何ら問題なく安定してインターネットに接続できたネットワーク環境にWindows 7機を加えてからおかしくなってしまった。LANの接続状態を示すルータのモニターランプが不意に高速点滅をし始めると、ルータのDHCP機能が働くなり、すべてのPCは適切なIPアドレスを取得することができず、復旧させるのも容易ではなかった(この対処方法については、「ネットワークの切断に悩まされて~XPからようやくWindows 7 x64へ(6)」を御覧下さい)。2005年にこのルータのファームウェアVer. 1.41が公開されて以後、更新は為されていなかったのであるから、起こるべくして起こった不具合といえるかもしれない。
とはいえ、その役目は十二分に果たしてきたことに間違いなく、MN128-SOHO IB3の労を讃え、ここにその勇姿を上記サイトの「製品画像」から転載しておきたいと思う。

二、
MN128-SOHO-IB3に代わって新たなルータに選んだのは、YAMAHAのNVR500である。
NVR500も業務用としては安価なSOHO向けのルータという位置付けの製品であろうが、一般用としてはやはり少し高価である。機能は、一般用としては豊富に過ぎるといえる。もっとも、VPN(Virtual Private Network)を利用する向きには、PPTPやIPIPは使えるが、IPsecに対応していないことが玉にきずとされている。
とまれ、さすがに定評あるルータだけあって、ネットワークは安定しており、インターネット接続もスムーズである。
NVR500では、種々の込み入った設定をする場合には、telnet等によるコマンドを使って行うことになっている。しかし、基本的な設定については、Webブラウザ上の「かんたん設定ページ」というGUIを使って行えるようになっている。
今のところ、我が家では、ほとんど込み入った設定をせずにこのルータを使用しているものの、二点だけ初期値を変更するためにコマンドを使っている。
一つは、インターネットへの自動接続は好まないので、手動接続に変更している。
そのコマンドは:
pp select 1
pppoe auto connect off
もう一つは、DHCPのリース期間を変更するものである。初期値は、72時間となっているリース期間を24時間に変更している。
コマンドは:
dhcp scope 1 192.168.xxx.xxx-192.168.xxx.xxx/24 expire 24:00
このように簡単な設定を行うにもコマンドが必要になるので、ネットワークの知識に乏しい我々素人にとっては、少々扱いにくいルータであるかもしれない。詳細な設定を行うには、Webで調べながらネットワークに関する書籍やNVR500の「コマンドリファレンス」と首っ引きでコマンドを実行しなければならないが、NVR500の素晴らしい機能を享受しえるのであるから、それもまたお勉強だと覚悟を決めておくほかなかろう。
【追記】:ようやく、我が家にも光が届いた。
ISDNからADSLに換えたとき、その伝送率の高さに驚嘆したものである。下り平均7KB/sから250KB/sになったのである。あれから十数年が経ち、電話回線の状況に左右されるADSLの伝送率は、ここのところ170KB/sから220KB/sを推移し、280KB/sを超えることもあった時期からすれば、歯がゆさばかりがつのっていた。しかも、様々なところで光回線の速さを日々実感させられれば、なおさらである。
さて、光回線の具合はというと、もちろん光回線といえどもインターネット上にある種々の環境の影響を受けざるをえないが、これまでに下り瞬間最大伝送率19MB/s台を記録し、ADSLの約90倍、ISDNの約2700倍の伝送率に胸のすく思いである。
時として下りが数百KB/sと、光がこれではイカンでしょうという場合もあるが、日常的にはおおむね1MB/sから十数MB/sあたりとADSLよりも変動の幅が大きいものの、だからといって不満を感ずることは、今のところない。
NVR500に換えた甲斐もあろうというものである。
ところで、NTTフレッツ光ネクストでは、ひかり電話を利用する場合、回線終端装置(ONU)一体型の「ひかり電話ルータ」が貸与される。我が家の機種は、PR-400MIである。ひかり電話を使う以上、この機を介さざるをえないので、NVR500を使用するには一工夫が要る。
ネットワークやインターネットに関するNVR500の設定を可能な限りそのまま使おうとするならば、PR-400MIのPPPoEブリッジ機能を使い、DHCPv4サーバ機能を無効にするのがよいのか、あるいはLAN側静的ルーティングを設定するのがよいのであろうか。NVR500の機能を十全に発揮させたいので、PR-400MIのPPPoEセッションを設定せず、PPPoEブリッジ機能を用いることにした。
しかし、これだと直接NVR500に対してそのNATによりグローバルIPアドレスが付与されるため、NVR500経由のPCからPR-400MIの設定画面に入れないことになる。PM-400MIの設定を変更するには、いちいちそれにLANケーブルを差し替えなければならず、しかもその場合、PM-400MIのDHCPサーバ機能は無効にしているので、接続したPCにはリンクローカル・アドレス(169.254.で始まるアドレス)が付与されるため、手動でその機と同じネットワークに属する任意のアドレスを入力しなければならない。少々面倒ではあるが、いったん設定すれば、そうたびたび変更する訳ではないので、これでよしとすることにする。 (2014.6.29)
【追記2】:PM-400MIの設定画面に入る方法
PM-400MIとNVR500を上記と同様の構成で使用している方から、PM-400MIの設定画面に入る方法がよく分からないというコメントが寄せられたので、私の用いている方法を詳述しておくことにする。ほかにテクニカルでスマートな方法があるのかもしれないが、一般家庭では頻繁に設定を変更することはないであろうから、このような原始的ともいえる方法であってもさして不都合はなかろう。以下、OSはWindows7を例にして説明しているので、適宜読み替えて下さい。
PM-400MIとNVR500をつないでいるLANケーブルを抜き、PCを直接PM-400MIにつなぎ換える。
LANケーブルを接続後、PCに電源の入れると、PM-400MIのDHCPサーバ機能は無効にしてあるため、PCのIPv4アドレスは「169.254.xxx.xxx.」というリンク・ローカル・アドレスになっているはずである。「ネットワークと共有センター」を開き、「アダプターの設定の変更」を選び、ネットワークを構成している「ローカルエリア接続」を右クリックし、「状態」⇒「詳細」と辿ると見ることができる。
このIPv4アドレスを、PM-400MIのIPv4アドレスと同じネットワーク内のアドレスに変更する。PM-400MIのLAN側IPアドレスを変えていなければ、初期値は「192.168.1.1」、ネットマスクの初期値は「255.255.255.0」である。初期値のままであるならば、PCのIPv4アドレスを「192.168.1.xxx」と、他のPC等のIPv4アドレスと重複しない2~254までの任意の数値を「xxx」の個所に入れたものに変更すればよい。
上記「ローカルエリア接続」の右クリックの「プロパティ」をクリックし、「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」を開き、「全般」タブ内の「IPアドレスを自動的に取得する」を「次のIPアドレスを使う」に切り替え、「IPアドレス」の欄に上述したように「192.168.1.xxx」と入力し、「サブネットマスク」の欄に「255.255.255.0」と入力し、「OK」をクリックする。
これで、ブラウザからPM-400MIの設定画面に入ることができる。設定が終われば、「IPアドレスを自動的に取得する」に戻しておくことを忘れないように。
なお、IPv4アドレスについてよく分からないという方は、拙文「IPv4アドレスについて」を御覧下さい。 (2015.1.6)
2003年から使い続けて10年になんなんとするルータ、NTT-MEのMN128-SOHO IB3もついにお役御免となった。この記事を書くに当たって、久方ぶりにNTT-MEのサイトを覗いてみると、奇しくも2013年6月30日をもってそのサポートは終了していた。このルータの耐用年数がまさに尽きていたということになる。
ISDN接続も可能で無線LAN機能を備えたブロードバンド・ルータをと探し求めて、発売されたばかりのこの機に巡り会った。SOHOという名が示すように一般用としては多機能過ぎて高価であったが、先々の使用にも耐えうるだろうと考え、意を決して購った。果たせるかな、その後10年近くも我がPCライフを支えてくれることとなった。
しかし、Windows XP機だけを使用している間は、何ら問題なく安定してインターネットに接続できたネットワーク環境にWindows 7機を加えてからおかしくなってしまった。LANの接続状態を示すルータのモニターランプが不意に高速点滅をし始めると、ルータのDHCP機能が働くなり、すべてのPCは適切なIPアドレスを取得することができず、復旧させるのも容易ではなかった(この対処方法については、「ネットワークの切断に悩まされて~XPからようやくWindows 7 x64へ(6)」を御覧下さい)。2005年にこのルータのファームウェアVer. 1.41が公開されて以後、更新は為されていなかったのであるから、起こるべくして起こった不具合といえるかもしれない。
とはいえ、その役目は十二分に果たしてきたことに間違いなく、MN128-SOHO IB3の労を讃え、ここにその勇姿を上記サイトの「製品画像」から転載しておきたいと思う。

二、
MN128-SOHO-IB3に代わって新たなルータに選んだのは、YAMAHAのNVR500である。
NVR500も業務用としては安価なSOHO向けのルータという位置付けの製品であろうが、一般用としてはやはり少し高価である。機能は、一般用としては豊富に過ぎるといえる。もっとも、VPN(Virtual Private Network)を利用する向きには、PPTPやIPIPは使えるが、IPsecに対応していないことが玉にきずとされている。
とまれ、さすがに定評あるルータだけあって、ネットワークは安定しており、インターネット接続もスムーズである。
NVR500では、種々の込み入った設定をする場合には、telnet等によるコマンドを使って行うことになっている。しかし、基本的な設定については、Webブラウザ上の「かんたん設定ページ」というGUIを使って行えるようになっている。
今のところ、我が家では、ほとんど込み入った設定をせずにこのルータを使用しているものの、二点だけ初期値を変更するためにコマンドを使っている。
一つは、インターネットへの自動接続は好まないので、手動接続に変更している。
そのコマンドは:
pp select 1
pppoe auto connect off
もう一つは、DHCPのリース期間を変更するものである。初期値は、72時間となっているリース期間を24時間に変更している。
コマンドは:
dhcp scope 1 192.168.xxx.xxx-192.168.xxx.xxx/24 expire 24:00
このように簡単な設定を行うにもコマンドが必要になるので、ネットワークの知識に乏しい我々素人にとっては、少々扱いにくいルータであるかもしれない。詳細な設定を行うには、Webで調べながらネットワークに関する書籍やNVR500の「コマンドリファレンス」と首っ引きでコマンドを実行しなければならないが、NVR500の素晴らしい機能を享受しえるのであるから、それもまたお勉強だと覚悟を決めておくほかなかろう。
【追記】:ようやく、我が家にも光が届いた。
ISDNからADSLに換えたとき、その伝送率の高さに驚嘆したものである。下り平均7KB/sから250KB/sになったのである。あれから十数年が経ち、電話回線の状況に左右されるADSLの伝送率は、ここのところ170KB/sから220KB/sを推移し、280KB/sを超えることもあった時期からすれば、歯がゆさばかりがつのっていた。しかも、様々なところで光回線の速さを日々実感させられれば、なおさらである。
さて、光回線の具合はというと、もちろん光回線といえどもインターネット上にある種々の環境の影響を受けざるをえないが、これまでに下り瞬間最大伝送率19MB/s台を記録し、ADSLの約90倍、ISDNの約2700倍の伝送率に胸のすく思いである。
時として下りが数百KB/sと、光がこれではイカンでしょうという場合もあるが、日常的にはおおむね1MB/sから十数MB/sあたりとADSLよりも変動の幅が大きいものの、だからといって不満を感ずることは、今のところない。
NVR500に換えた甲斐もあろうというものである。
ところで、NTTフレッツ光ネクストでは、ひかり電話を利用する場合、回線終端装置(ONU)一体型の「ひかり電話ルータ」が貸与される。我が家の機種は、PR-400MIである。ひかり電話を使う以上、この機を介さざるをえないので、NVR500を使用するには一工夫が要る。
ネットワークやインターネットに関するNVR500の設定を可能な限りそのまま使おうとするならば、PR-400MIのPPPoEブリッジ機能を使い、DHCPv4サーバ機能を無効にするのがよいのか、あるいはLAN側静的ルーティングを設定するのがよいのであろうか。NVR500の機能を十全に発揮させたいので、PR-400MIのPPPoEセッションを設定せず、PPPoEブリッジ機能を用いることにした。
しかし、これだと直接NVR500に対してそのNATによりグローバルIPアドレスが付与されるため、NVR500経由のPCからPR-400MIの設定画面に入れないことになる。PM-400MIの設定を変更するには、いちいちそれにLANケーブルを差し替えなければならず、しかもその場合、PM-400MIのDHCPサーバ機能は無効にしているので、接続したPCにはリンクローカル・アドレス(169.254.で始まるアドレス)が付与されるため、手動でその機と同じネットワークに属する任意のアドレスを入力しなければならない。少々面倒ではあるが、いったん設定すれば、そうたびたび変更する訳ではないので、これでよしとすることにする。 (2014.6.29)
【追記2】:PM-400MIの設定画面に入る方法
PM-400MIとNVR500を上記と同様の構成で使用している方から、PM-400MIの設定画面に入る方法がよく分からないというコメントが寄せられたので、私の用いている方法を詳述しておくことにする。ほかにテクニカルでスマートな方法があるのかもしれないが、一般家庭では頻繁に設定を変更することはないであろうから、このような原始的ともいえる方法であってもさして不都合はなかろう。以下、OSはWindows7を例にして説明しているので、適宜読み替えて下さい。
PM-400MIとNVR500をつないでいるLANケーブルを抜き、PCを直接PM-400MIにつなぎ換える。
LANケーブルを接続後、PCに電源の入れると、PM-400MIのDHCPサーバ機能は無効にしてあるため、PCのIPv4アドレスは「169.254.xxx.xxx.」というリンク・ローカル・アドレスになっているはずである。「ネットワークと共有センター」を開き、「アダプターの設定の変更」を選び、ネットワークを構成している「ローカルエリア接続」を右クリックし、「状態」⇒「詳細」と辿ると見ることができる。
このIPv4アドレスを、PM-400MIのIPv4アドレスと同じネットワーク内のアドレスに変更する。PM-400MIのLAN側IPアドレスを変えていなければ、初期値は「192.168.1.1」、ネットマスクの初期値は「255.255.255.0」である。初期値のままであるならば、PCのIPv4アドレスを「192.168.1.xxx」と、他のPC等のIPv4アドレスと重複しない2~254までの任意の数値を「xxx」の個所に入れたものに変更すればよい。
上記「ローカルエリア接続」の右クリックの「プロパティ」をクリックし、「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」を開き、「全般」タブ内の「IPアドレスを自動的に取得する」を「次のIPアドレスを使う」に切り替え、「IPアドレス」の欄に上述したように「192.168.1.xxx」と入力し、「サブネットマスク」の欄に「255.255.255.0」と入力し、「OK」をクリックする。
これで、ブラウザからPM-400MIの設定画面に入ることができる。設定が終われば、「IPアドレスを自動的に取得する」に戻しておくことを忘れないように。
なお、IPv4アドレスについてよく分からないという方は、拙文「IPv4アドレスについて」を御覧下さい。 (2015.1.6)