dynabookのCPU交換
一、Celeron 900をT8300に
dynabook EX/33Jの液晶パネルを交換した後(これについては「dynabookの液晶パネル交換と磁気センサの誤作動」を御覧下さい)、未使用のIntel Core 2 Duo T8300 2.4GHzが格安で手に入ったので、EX/33JのCeleron Processor 900 2.2GHzと交換してみた。
TOSHIBAのdynabook.comでこのEX/33Jの仕様を確認すると(http://dynabook.com/pc/catalog/dynabook/090420ex/spec.htm)、チップセットはMobile Intel GL40 Express Chipsetとなっている。Intelのサイトで調べると、T8300の対応するチップセットとしてそのGL40が挙がっておらず、GL40の対応するCPUにもT8300が挙がっていない。しかし、Celeron 900とT8300の仕様を比べると、
双方ともに、コードネームはPenryn、FSBは800MHz、TDPは35W、対応ソケットはSocket P (mPGA478MN)であることから、交換可能ではないかと踏んだのである。
※ ノートPCにおけるCPU交換一般について留意すべきことを「ノートPCのCPU交換」にまとめたので、ご一読下さい。
二、換装手順
1.まず、本体裏側のバッテリを外し、図-1に示したネジを取り外す。図-2のようにHDDのカバーを取り外してHDDを取り出し、メモリのカバーを取り外してカバーに隠されているネジ(DVDドライブを固定している)も外し、安全のためメモリも外しておく。
図-1

図-2

2.図-3に示したキーボード上部の細長いカバーを外す。F1キーを押し下げて、その位置のカバーの溝にマイナスの精密ドライバーなどを差し込んで、じわりと上へ持ち上げると簡単にカバーを外すことができる(図-4)。
図-3

図-4

3.キーボードを固定しているネジが2本見えるので(図-5)、それらを外し、図-6のようにキーボードを斜めにすると引き抜くことができる。
図-5

図-6

4.キーボードのケーブル(正式名称、フレキシブル・フラット・ケーブル:FFC)をコネクタ端子から抜いて、キーボードを取り外す(図-7)。ケーブルはストッパーで挟み込むように固定されているので、それを矢印の方向にずらすとコネクタからケーブルを抜くことができる。
図-7

5.図-8に示したタッチバッドのケーブルとスピーカーのコネクタを抜く。タッチパッドのケーブルも、ストッパーを矢印の方向に引くとコネクタから抜くことができる。
図-8

6.図-9に示した5箇所のネジを外し、表側の筐体を取り外す。ヒンジ付近から筐体を持ち上げて、固定されているツメを一つ一つ丁寧に剥がしていく。
図-9

7.さらに、図-10に示した基板の2箇所(赤丸)のネジを外し、7箇所のコネクタを抜く。無線LANのアンテナ(白と黒のケーブル)のコネクタは上に引き抜くようになっている。
図-10

8.DVDドライブを図-11の矢印の方向に引き出す。
図-11

9.これでようやく基板の取り外しを妨げるものはすべて取り払われたことになる。図-12に示した部分を破損しないように注意しながら、ゆっくりと丁寧に基板を取り出す。
図-12

10.取り出した基板をひっくり返して、図-13に示したファン・コネクタと4箇所のネジを外し、基板からCPUファンとヒートシンクを取り外す。
図-13

11.mPGA478MN SOCKETのネジを緩め、Celeron 900を取り出して(図-14)、T8300に交換し、ソケットのネジを締める(図-15)。そして、ヒートシンクの古いグリスを拭き取り、新たにT8300側にグリスを塗って、再びCPUファンとヒートシンクを取り付け、上記の手順を遡って元に戻していく。
なお、CPUファンやヒートシンクには埃が溜まっていることがあり、これが排熱を妨げ、熱に弱い部品の劣化・損傷を招くことになるので、丁寧に掃除をして元に戻しておく。
図-14

図-15

三、CPU-Zとエクスペリエンス インデックスのスコア
元に戻したところで、電源を入れてみる。めでたくT8300は新たなCPUとして認識され、再起動が促された。再起動後、エクスペリエンス インデックスを表示してみる。スコアを最新の情報に更新するよう促されている。再評価を実行すると、プロセッサのスコアは4.3から5.3に著しく上がった(図-16)。換装のし甲斐があったというものである。
このdynabook EX/33JのCPUは、Intel Core 2 DuoのT7000番台、T8000番台、T9000番台であれば、載せ換え可能であろう。(後述の【追記2】を参照)
図-16

ところで、CPU-Zを見ると、不思議なことに、チップセットはGM45と表示されている(図-17)。前述したようにGL40の筈だから、T8300に載せ換えたため読み取りに誤りが生じているのであろうか。だとしても、T8300は有効に機能しているようなので、さしたる不都合はなかろう。
図-17

PassMarkのウェヴサイトの"CPU Benchmarks"というページ(http://www.cpubenchmark.net/cpu_list.php)を見ると、T8300はCeleron 900の2倍以上の処理能力があるようなので、その点において、この改造EX/33Jが息子に不満を抱かせることは、彼の限られた用途からすれば、当分ないであろう。
液晶が壊れていたとはいえ、このdynabookを無償で譲ってくれた友人に感謝である。
【コメント回答用(2021.1.7)】
(EX/33J表筐体側スイッチ部裏面)

(EX/33J底面筐体側スイッチ本体)

dynabook EX/33Jの液晶パネルを交換した後(これについては「dynabookの液晶パネル交換と磁気センサの誤作動」を御覧下さい)、未使用のIntel Core 2 Duo T8300 2.4GHzが格安で手に入ったので、EX/33JのCeleron Processor 900 2.2GHzと交換してみた。
TOSHIBAのdynabook.comでこのEX/33Jの仕様を確認すると(http://dynabook.com/pc/catalog/dynabook/090420ex/spec.htm)、チップセットはMobile Intel GL40 Express Chipsetとなっている。Intelのサイトで調べると、T8300の対応するチップセットとしてそのGL40が挙がっておらず、GL40の対応するCPUにもT8300が挙がっていない。しかし、Celeron 900とT8300の仕様を比べると、
Celeron 900 | T8300 | |
---|---|---|
コードネーム | Penryn | Penryn |
発売日 | 2009年第1四半期 | 2008年第1四半期 |
コア数 | 1 | 2 |
ベース周波数 | 2.20GHz | 2.40GHz |
FSB | 800MHz | 800MHz |
TDP | 35W | 35W |
対応ソケット | Socket P (mPGA478MN) | Socket P (mPGA478MN) |
双方ともに、コードネームはPenryn、FSBは800MHz、TDPは35W、対応ソケットはSocket P (mPGA478MN)であることから、交換可能ではないかと踏んだのである。
※ ノートPCにおけるCPU交換一般について留意すべきことを「ノートPCのCPU交換」にまとめたので、ご一読下さい。
※ 【追記】: Intel Mobile CPUについて
ところで、CPUのパッケージには、主にBGA (Ball Grid Array)、PGA (Pin Grid Array)、LGA (Land Grid Array)の3種の規格が用いられている。ノートPCのCPUには、BGAとPGAが使用される。BGAは、底面に球状のハンダボールが配置されており、基板に直接ハンダ付けされる。PGAは、底面にピンが配置され、実装にはソケットが用いられる。
IntelのMobile CPUのパッケージないし対応ソケットは多くの場合、BGAとPGAの2種が用意されているということに注意する必要がある。例えば、T8300の対応ソケットについても、Intelのサイトを見ると、「BGA479, PGA478」と表示されている(http://ark.intel.com/ja/products/33099/Intel-Core2-Duo-Processor-T8300-3M-Cache-2_40-GHz-800-MHz-FSB)。とすれば、既製のノートPCに搭載されているCPUにどちらのパッケージが使われているか、通常、PCの仕様書には記載されていない以上、手元にあるPCであれば、CPU-Zでパッケージを確認できるが、そうでないPCについては、Webで調べるしかないのである。
にもかかわらず、ノートPCのCPUの換装に関する質問に対して、確認ないし調査をすることもなく「ノートPCはCPUが直付けだから換装できません」といった類いの回答が質問掲示板において少なからず為されており、中には、「直付け」は当然だと言わんばかりに質問者の無知をそしる回答すらある。等閑視するには、目に余るほどである。また、PGAのCPUを購入すべきところ、誤ってBGAのCPUを購入した人もいたので、改めて注意を促しておきたい。
もっとも、Intelは、2013年頃からパッケージをBGAだけとするモバイル向けCPUを多く出している。特に、BroadwellやSkylakeのモバイル向けCPUは、ほとんどがFCBGAのみとなっている。これらを搭載したノートPCのCPUは、事実上換装不可能となる。
また、盛んに問題となるPGA988とPPGA988とFCPGA988との互換性については、同一世代である限り、「これらソケットの互換性はある。しかし、プロセッサーが機能するかどうかは最終的にBIOS次第である」とIntelは繰り返し発表している("Differance between PGA988 and PPGA988 CPU socket?"、"PGA988, PPGA988 and FCPGA988"等々)。要するに、ソケットに装着できても、交換したCPUのマイクロコードがBIOS等によって提供されていなければ、そのCPUは使えないということになる。(2016.6.26)(改めて「ノートPCのCPU交換」に上記の内容をまとめたので、この項を書き改めた。2016.10.10)
ところで、CPUのパッケージには、主にBGA (Ball Grid Array)、PGA (Pin Grid Array)、LGA (Land Grid Array)の3種の規格が用いられている。ノートPCのCPUには、BGAとPGAが使用される。BGAは、底面に球状のハンダボールが配置されており、基板に直接ハンダ付けされる。PGAは、底面にピンが配置され、実装にはソケットが用いられる。
IntelのMobile CPUのパッケージないし対応ソケットは多くの場合、BGAとPGAの2種が用意されているということに注意する必要がある。例えば、T8300の対応ソケットについても、Intelのサイトを見ると、「BGA479, PGA478」と表示されている(http://ark.intel.com/ja/products/33099/Intel-Core2-Duo-Processor-T8300-3M-Cache-2_40-GHz-800-MHz-FSB)。とすれば、既製のノートPCに搭載されているCPUにどちらのパッケージが使われているか、通常、PCの仕様書には記載されていない以上、手元にあるPCであれば、CPU-Zでパッケージを確認できるが、そうでないPCについては、Webで調べるしかないのである。
にもかかわらず、ノートPCのCPUの換装に関する質問に対して、確認ないし調査をすることもなく「ノートPCはCPUが直付けだから換装できません」といった類いの回答が質問掲示板において少なからず為されており、中には、「直付け」は当然だと言わんばかりに質問者の無知をそしる回答すらある。等閑視するには、目に余るほどである。また、PGAのCPUを購入すべきところ、誤ってBGAのCPUを購入した人もいたので、改めて注意を促しておきたい。
もっとも、Intelは、2013年頃からパッケージをBGAだけとするモバイル向けCPUを多く出している。特に、BroadwellやSkylakeのモバイル向けCPUは、ほとんどがFCBGAのみとなっている。これらを搭載したノートPCのCPUは、事実上換装不可能となる。
また、盛んに問題となるPGA988とPPGA988とFCPGA988との互換性については、同一世代である限り、「これらソケットの互換性はある。しかし、プロセッサーが機能するかどうかは最終的にBIOS次第である」とIntelは繰り返し発表している("Differance between PGA988 and PPGA988 CPU socket?"、"PGA988, PPGA988 and FCPGA988"等々)。要するに、ソケットに装着できても、交換したCPUのマイクロコードがBIOS等によって提供されていなければ、そのCPUは使えないということになる。(2016.6.26)(改めて「ノートPCのCPU交換」に上記の内容をまとめたので、この項を書き改めた。2016.10.10)
二、換装手順
1.まず、本体裏側のバッテリを外し、図-1に示したネジを取り外す。図-2のようにHDDのカバーを取り外してHDDを取り出し、メモリのカバーを取り外してカバーに隠されているネジ(DVDドライブを固定している)も外し、安全のためメモリも外しておく。
図-1

図-2

2.図-3に示したキーボード上部の細長いカバーを外す。F1キーを押し下げて、その位置のカバーの溝にマイナスの精密ドライバーなどを差し込んで、じわりと上へ持ち上げると簡単にカバーを外すことができる(図-4)。
図-3

図-4

3.キーボードを固定しているネジが2本見えるので(図-5)、それらを外し、図-6のようにキーボードを斜めにすると引き抜くことができる。
図-5

図-6

4.キーボードのケーブル(正式名称、フレキシブル・フラット・ケーブル:FFC)をコネクタ端子から抜いて、キーボードを取り外す(図-7)。ケーブルはストッパーで挟み込むように固定されているので、それを矢印の方向にずらすとコネクタからケーブルを抜くことができる。
図-7

5.図-8に示したタッチバッドのケーブルとスピーカーのコネクタを抜く。タッチパッドのケーブルも、ストッパーを矢印の方向に引くとコネクタから抜くことができる。
図-8

6.図-9に示した5箇所のネジを外し、表側の筐体を取り外す。ヒンジ付近から筐体を持ち上げて、固定されているツメを一つ一つ丁寧に剥がしていく。
図-9

7.さらに、図-10に示した基板の2箇所(赤丸)のネジを外し、7箇所のコネクタを抜く。無線LANのアンテナ(白と黒のケーブル)のコネクタは上に引き抜くようになっている。
図-10

8.DVDドライブを図-11の矢印の方向に引き出す。
図-11

9.これでようやく基板の取り外しを妨げるものはすべて取り払われたことになる。図-12に示した部分を破損しないように注意しながら、ゆっくりと丁寧に基板を取り出す。
図-12

10.取り出した基板をひっくり返して、図-13に示したファン・コネクタと4箇所のネジを外し、基板からCPUファンとヒートシンクを取り外す。
図-13

11.mPGA478MN SOCKETのネジを緩め、Celeron 900を取り出して(図-14)、T8300に交換し、ソケットのネジを締める(図-15)。そして、ヒートシンクの古いグリスを拭き取り、新たにT8300側にグリスを塗って、再びCPUファンとヒートシンクを取り付け、上記の手順を遡って元に戻していく。
なお、CPUファンやヒートシンクには埃が溜まっていることがあり、これが排熱を妨げ、熱に弱い部品の劣化・損傷を招くことになるので、丁寧に掃除をして元に戻しておく。
図-14

図-15

三、CPU-Zとエクスペリエンス インデックスのスコア
元に戻したところで、電源を入れてみる。めでたくT8300は新たなCPUとして認識され、再起動が促された。再起動後、エクスペリエンス インデックスを表示してみる。スコアを最新の情報に更新するよう促されている。再評価を実行すると、プロセッサのスコアは4.3から5.3に著しく上がった(図-16)。換装のし甲斐があったというものである。
図-16

ところで、CPU-Zを見ると、不思議なことに、チップセットはGM45と表示されている(図-17)。前述したようにGL40の筈だから、T8300に載せ換えたため読み取りに誤りが生じているのであろうか。だとしても、T8300は有効に機能しているようなので、さしたる不都合はなかろう。
図-17

PassMarkのウェヴサイトの"CPU Benchmarks"というページ(http://www.cpubenchmark.net/cpu_list.php)を見ると、T8300はCeleron 900の2倍以上の処理能力があるようなので、その点において、この改造EX/33Jが息子に不満を抱かせることは、彼の限られた用途からすれば、当分ないであろう。
液晶が壊れていたとはいえ、このdynabookを無償で譲ってくれた友人に感謝である。
※【追記1】:
ところで、偶然にも故障したからと、同じくdynabook TX/64Hを知人から譲ってもらった。そのCPUがIntel Core 2 Duo P8400であったので、これを試しにこの機に載せてみた。P8400の仕様は、Socket:PGA 478、FSB:1066MHz、TDP:25Wであり、対応するチップセットはGM45とされている。果たして、P8400はEX/33Jで機能しうるのか。結果は、御覧のように何ら問題なく、P8400も認識され、機能しているようである。
図-18
図-19

T8300に比べ、P8400のエクスペリエンスのスコアは0.1低く、「5.2」であるが、実用上差異はないに等しい。
EX/33Jにおいては、上述のTシリーズのみならず、少なくともP8000シリーズも使用可能であるということができよう。
因みに、メモリのスコアも「5.9」と上がっているが、T8300に戻してもそのスコアは変わらない。そもそも、T8300に換装した直後のエクスペリエンスでは、メモリのスコアは「5.9」であったのであって、その後なぜか「5.2」と下がっていたのである。何度もメモリの着脱を繰り返していたためであろうか。メモリのスコアが低下した原因、再び元に戻った原因は、ともに不明である。(2014.6.1)
ところで、偶然にも故障したからと、同じくdynabook TX/64Hを知人から譲ってもらった。そのCPUがIntel Core 2 Duo P8400であったので、これを試しにこの機に載せてみた。P8400の仕様は、Socket:PGA 478、FSB:1066MHz、TDP:25Wであり、対応するチップセットはGM45とされている。果たして、P8400はEX/33Jで機能しうるのか。結果は、御覧のように何ら問題なく、P8400も認識され、機能しているようである。
図-18

図-19

T8300に比べ、P8400のエクスペリエンスのスコアは0.1低く、「5.2」であるが、実用上差異はないに等しい。
因みに、メモリのスコアも「5.9」と上がっているが、T8300に戻してもそのスコアは変わらない。そもそも、T8300に換装した直後のエクスペリエンスでは、メモリのスコアは「5.9」であったのであって、その後なぜか「5.2」と下がっていたのである。何度もメモリの着脱を繰り返していたためであろうか。メモリのスコアが低下した原因、再び元に戻った原因は、ともに不明である。(2014.6.1)
※【追記2】:
このEX/33Jにおける動作可能なCPUのメルクマールはよく分からない、というほかない。
Celeron 900と同じPenrynに属するCPUでも、T8100・T8300は動作するが、P8400・P8600は動作する場合と動作しない場合があり、P8700は動作しないという例があるとされている。いずれも、Celeron 900よりも前に発売されている製品である。900はステッピングがR0、T8100・T8300はステッピングがM0、P8400・P8600はステッピングがM0とR0があり、P8400のM0(SLB3R)が動作しなかった例があり、動作しないとされているP8700のステッピングはR0である。
CPUIDについては、CPU-WorldのCPUID database等で調べるとPenrynのステッピングM0は10676であり、R0は1067Aであるが、Intelが公開している"MICROCODE REVISION GUIDANCE" (April 2 2018)を見ると、Penrynはすべて1067Aとなっている(CPUIDについては、「ノートPCのCPU交換」を参照)。
ましてや、チップセットに関しては、GL40 Expressでありながら、GM45 Express等に対応するCPUが動作することもあり、FSBに関しても、900は800MHzであるが、1066MHzのCPUも動作するといった具合である。
おそよ市販のPCのBIOS上において動作するCPUは、当然ながらPCベンダーが独自に定めており、それを窺い知る術はないのが当たり前である。とはいえ、その動作しうるCPUと動作しないCPUとを分かつ指標なり基準をわずかながらも推測することが可能である場合も少なくないが、このEX/33Jのようにほとんどその指標ないし基準を推し量ることができないPCも存在するのである。この場合は、せいぜい同じPenrynで、搭載CPUより前に発売されたCPUであることくらいしか選定基準はなく、あとは文字通り一か八かに賭けるしかないのである。(2019.8.20)
このEX/33Jにおける動作可能なCPUのメルクマールはよく分からない、というほかない。
Celeron 900と同じPenrynに属するCPUでも、T8100・T8300は動作するが、P8400・P8600は動作する場合と動作しない場合があり、P8700は動作しないという例があるとされている。いずれも、Celeron 900よりも前に発売されている製品である。900はステッピングがR0、T8100・T8300はステッピングがM0、P8400・P8600はステッピングがM0とR0があり、P8400のM0(SLB3R)が動作しなかった例があり、動作しないとされているP8700のステッピングはR0である。
CPUIDについては、CPU-WorldのCPUID database等で調べるとPenrynのステッピングM0は10676であり、R0は1067Aであるが、Intelが公開している"MICROCODE REVISION GUIDANCE" (April 2 2018)を見ると、Penrynはすべて1067Aとなっている(CPUIDについては、「ノートPCのCPU交換」を参照)。
ましてや、チップセットに関しては、GL40 Expressでありながら、GM45 Express等に対応するCPUが動作することもあり、FSBに関しても、900は800MHzであるが、1066MHzのCPUも動作するといった具合である。
おそよ市販のPCのBIOS上において動作するCPUは、当然ながらPCベンダーが独自に定めており、それを窺い知る術はないのが当たり前である。とはいえ、その動作しうるCPUと動作しないCPUとを分かつ指標なり基準をわずかながらも推測することが可能である場合も少なくないが、このEX/33Jのようにほとんどその指標ないし基準を推し量ることができないPCも存在するのである。この場合は、せいぜい同じPenrynで、搭載CPUより前に発売されたCPUであることくらいしか選定基準はなく、あとは文字通り一か八かに賭けるしかないのである。(2019.8.20)
【コメント回答用(2021.1.7)】
(EX/33J表筐体側スイッチ部裏面)

(EX/33J底面筐体側スイッチ本体)
