ガジェットをなぜ見捨てる
VistaやWindows7でお馴染みのガジェットが憂き目にあっている。
Microsoftは2012年7月11日にセキュリティ・アドバイザリ(2719662)を公表し、ガジェットに脆弱性が存在するとして、その脆弱性の悪用に不安を抱く人にはサイドバーとガジェットを無効にするFix itツールの適用を推奨している。さらに、オンラインで追加のガジェットを提供していたガジェット・ギャラリーは閉鎖され、Windows8においてはガジェットは廃止されているようである。
昨秋、新たにPCを1台自作し、そのOSにWindows7を改めて購入した私は驚いた。これは一体どういうことなのか。
このような場合、脆弱性に対する手立てを講じた修正プログラムを提供するのが通例であるにもかかわらず、今回はそれをせず、あろうことか、ガジェットの機能を無効化するツールまで提供している。
このことを伝えるウェブニュースの中には、ガジェットは特に人気のある機能でもなかったと評するものもあり、まるで継子扱いである。
ガジェットは、非常に便利で有用な機能だと私は思っている。時計やカレンダーだけでなく、CPUの稼働率や温度、メモリ・HDD等の使用状況などを常時表示するガジェットは重宝している。時計などは、かつてNHKの時報に使用されていた時計を元に自前でデザインしたものを愛用している。

HWMonitorMeter(X58) HWMonitorMeter(X79) NHK時報時計風Clock
通常、脆弱性が発見された場合、更新プログラムで対処するのが、Microsoftではなかったのか。この件に限って、なにゆえに当の機能の停止ないし廃止に踏み切ったのか。ガジェットに存在する脆弱性は、更新プログラムでは繕いきれないほど重篤であったのか。
一部には、Windows8への乗り換えを促すべく、Windows7を使いにくくする意図に出たものではないかという穿った見方をする人もいるようである。
もちろん、ガジェットが使えなくなったとしても、それと同等の機能を持った他のソフトで代替することは可能であるが、そのすべてを個人で開発することは容易ではなく、誰かが開発してくれることをひたすら待つほかない。
今日、日々の使用に耐えうるOSといえば、MacあるいはWindowsのいずれかであろうが、PCを自作する者にとってはWindows以外に選択の余地はない。Windowsに替わりうるOSを、素人が個人で作り出すことは不可能に近いのが現実である以上、悲しいかなこの事実は如何ともしがたい。もちろん、それ以外のOSとしては、Linuxのディストリビューションが無数に存在し、特にDebian系のUbuntuやRedHat系のFedoraなど面白いものもあるが、時間とWindowsしか扱わない相手との関係上、たまに弄ってみるだけとならざるをえない。
となれば、今回の事態にあたっては、一介のWindows利用者に過ぎない我々は、ただただMicrosoft社に懇請するしかない。
なにとぞ、ガジェットを存続させるべく、修正プログラムの開発に着手して頂きたい、と。伏して再考をこいねがう次第である。
Microsoftは2012年7月11日にセキュリティ・アドバイザリ(2719662)を公表し、ガジェットに脆弱性が存在するとして、その脆弱性の悪用に不安を抱く人にはサイドバーとガジェットを無効にするFix itツールの適用を推奨している。さらに、オンラインで追加のガジェットを提供していたガジェット・ギャラリーは閉鎖され、Windows8においてはガジェットは廃止されているようである。
昨秋、新たにPCを1台自作し、そのOSにWindows7を改めて購入した私は驚いた。これは一体どういうことなのか。
このような場合、脆弱性に対する手立てを講じた修正プログラムを提供するのが通例であるにもかかわらず、今回はそれをせず、あろうことか、ガジェットの機能を無効化するツールまで提供している。
このことを伝えるウェブニュースの中には、ガジェットは特に人気のある機能でもなかったと評するものもあり、まるで継子扱いである。
ガジェットは、非常に便利で有用な機能だと私は思っている。時計やカレンダーだけでなく、CPUの稼働率や温度、メモリ・HDD等の使用状況などを常時表示するガジェットは重宝している。時計などは、かつてNHKの時報に使用されていた時計を元に自前でデザインしたものを愛用している。



HWMonitorMeter(X58) HWMonitorMeter(X79) NHK時報時計風Clock
通常、脆弱性が発見された場合、更新プログラムで対処するのが、Microsoftではなかったのか。この件に限って、なにゆえに当の機能の停止ないし廃止に踏み切ったのか。ガジェットに存在する脆弱性は、更新プログラムでは繕いきれないほど重篤であったのか。
一部には、Windows8への乗り換えを促すべく、Windows7を使いにくくする意図に出たものではないかという穿った見方をする人もいるようである。
もちろん、ガジェットが使えなくなったとしても、それと同等の機能を持った他のソフトで代替することは可能であるが、そのすべてを個人で開発することは容易ではなく、誰かが開発してくれることをひたすら待つほかない。
今日、日々の使用に耐えうるOSといえば、MacあるいはWindowsのいずれかであろうが、PCを自作する者にとってはWindows以外に選択の余地はない。Windowsに替わりうるOSを、素人が個人で作り出すことは不可能に近いのが現実である以上、悲しいかなこの事実は如何ともしがたい。もちろん、それ以外のOSとしては、Linuxのディストリビューションが無数に存在し、特にDebian系のUbuntuやRedHat系のFedoraなど面白いものもあるが、時間とWindowsしか扱わない相手との関係上、たまに弄ってみるだけとならざるをえない。
となれば、今回の事態にあたっては、一介のWindows利用者に過ぎない我々は、ただただMicrosoft社に懇請するしかない。
なにとぞ、ガジェットを存続させるべく、修正プログラムの開発に着手して頂きたい、と。伏して再考をこいねがう次第である。
【追記1】:
ガジェットを愛用する人はいるのである。ドイツのHelmut Buhler氏は、Windows 8及び8.1でガジェットを利用可能にする"8GadgetPack"なるソフトを無償で公開してくれている。そのバージョン13.0はWindows 10をサポートしており、すべてではないがほとんどのガジェットは使えると説明されている。
私も、Windows 10 Pro Technical Previewにインストールしてみたが、残念ながらI-O Drive Centerというガジェットは機能しない。ベンダー製ガジェットについては、やはりWindowsが正式にガジェットを復活しない限り、ベンダーがその対応版を提供するのは難しいようである(「Windows 10 Technical Previewを入れる」参照)。
是非とも、Microsoft社にはガジェットを次期Windows 10で復活させて頂きたい。
ガジェットを愛用する人はいるのである。ドイツのHelmut Buhler氏は、Windows 8及び8.1でガジェットを利用可能にする"8GadgetPack"なるソフトを無償で公開してくれている。そのバージョン13.0はWindows 10をサポートしており、すべてではないがほとんどのガジェットは使えると説明されている。
私も、Windows 10 Pro Technical Previewにインストールしてみたが、残念ながらI-O Drive Centerというガジェットは機能しない。ベンダー製ガジェットについては、やはりWindowsが正式にガジェットを復活しない限り、ベンダーがその対応版を提供するのは難しいようである(「Windows 10 Technical Previewを入れる」参照)。
是非とも、Microsoft社にはガジェットを次期Windows 10で復活させて頂きたい。
【追記2】:
実際に、CPUやメモリ等の稼働状況をモニターしてくれるこれら簡便なガジェットによって幾度となく、未然にトラブルが回避され(「水冷CPUクーラー交換」参照)、不具合解決の端緒が開かれてきた(「メモリ異常によるブルースクリーンの対処法」参照)。繰り返し申し上げるが、Microsoft社には、このガジェットの持つ利便性を享受している利用者の声に耳を傾けて頂きたい、と切に望む。
実際に、CPUやメモリ等の稼働状況をモニターしてくれるこれら簡便なガジェットによって幾度となく、未然にトラブルが回避され(「水冷CPUクーラー交換」参照)、不具合解決の端緒が開かれてきた(「メモリ異常によるブルースクリーンの対処法」参照)。繰り返し申し上げるが、Microsoft社には、このガジェットの持つ利便性を享受している利用者の声に耳を傾けて頂きたい、と切に望む。
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