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ロジクールと東プレのキーボード

一、
 ロジクールのIlluminated Keyboard CZ-900を4年近く使用してきたが、この度新たに東プレのREALFORCE 108UBK(SJ08B0)を購入することにした。CZ-900のパームレストのゴムが少しべとつき始めたからである。

 CZ-900はしばらく在庫切れとなっていたが、今年2013年6月より新たにIlluminated Keyboard k740として販売されているようである。その製品画像や仕様等を見る限りは、ほぼ同一のものと思われる。おそらく販売再開の要望が多かったためと思われるものの、なぜ型番を変え、しかもCZ-900の再販売であること、あるいはその改良型であることを謳っていないのか、不思議である。

 それはともかく、CZ-900(おそらくk740)が素晴らしいキーボードだということを日々実感してきた者としては、それと定評あるREALFORCE 108UBKとがどう違うのか、3か月ほどじっくりと使ったところで、両者の使い心地などの相異についてあれこれ綴ってみたい。

  Keyboard-CZ-900
  ちょっと年季が入っているIlluminated Keyboard CZ-900

  Keyboard-108UBK
  まだまだ初々しいREALFORCE 108UBK (SJ08B0)

二、
 Illuminated Keyboard CZ-900(k740)のキーピッチは19mm、キーストロークは3.2mm、押下圧(押下荷重)はすべて55gであり、キー構造は「PerfectStrokeキーシステム」というロジクール独自のパンタグラフ方式で、「精密なマイクロシザー構造によりキー表面に均等に力が伝わる」(Logicoolのサイトより)ようにしてあるという。

 一方、REALFORCE 108UBKは、キーピッチは19.1mm(東プレのサイトではキーピッチの記載を見つけることができなかったので、Amazonの当該品の仕様にあった数値を挙げておく)、キーストロークは4mm、キー荷重はいわゆる「変荷重」で、30g・45g・55g、±15gとされており、キーは静電容量無接点方式という名前からはその構造をイメージすることすら困難なスイッチ方式にラバードーム(カップラバー)内に円錐スプリング(コニックリング)を組み込んだ構造が採用されている。このカップラバーを違う弾力のものに変えることによって、キーの荷重を変更できる、とのことである(ITmediaニュース:「速く打てて疲れにくい」キーボードの秘密――東プレのRealforce 106)。

 さて、両者の比較である。

 キーピッチは双方ともほぼ同じであり、19mm前後がタイピングには最適な値なのであろう。

 キーストロークは、CZ-900(k740)の3.2mmに対し、108UBKは、4mmと深いが、2~3mmの押下で反応するため底まで打つ必要がなく、高速タイピングには適しているとされている。にもかかわらず、底までしっかりと押したい私には、やはり4mmは少し深い気がする。CZ-900(k740)の3.2mmあたりが打ち心地はよいと感じる。

 キー荷重(押下圧とも押下荷重とも表記される)につき、何といっても特筆すべきは、108UBKの「変荷重」である。「主要部が45gで小指入力するキーの一部は30gになって」(Topreのサイトより)おり、その他は55gということになる。但し、どのキーが何gになっているかは正確には公表されていないようである。ともあれ、全55gのCZ-900(k740)に比べると小指で打つキーは明らかに軽いと感じる。就中、右小指で多用されるEnterキーを初めて打ったときは、思わず唸ってしまった。
 かつて、価格.comにCZ-900のレビューとして、キーは重めが好きなのでこのキーボードの55gは私には快適だというようなことを書いた。しかし、やはり力のない小指には55gは重過ぎであり、30gの108UBKは小指への負担が少なく、長時間打った後の小指の疲れは、当然55gのものよりも低減されることになる。

 キーの構造上止むをえないことではあろうが、108UBKよりCZ-900がキーのふらつきは少なく、かっちりとしており、キーに触れたときの感触は、後者の方が好みである。

 デザインはと言えば、透明のラインで縁取りされ、ラバーコーティングされたパームレストが緩やかなカーブを描く薄型のボディに、その名が示すようにイルミネイトされたキートップの文字が浮かび上がるCZ-900(k740)と、オーソドクスで武骨ともいえる佇まいの108UBKとは対照的であり、好みの分かれるところであろう。とはいえ、それぞれの特色ある機能を体現したデザインは、それぞれに相応しく、ともに好ましく私には思える。
 ただ、ラバーコーティングは経年変化によってどうしてもべとつきが出てしまうので、触れることの多い製品には使うべきではないのではないかとかねてから思っている。今回のREALFORCE購入のきっかけもそれであり、子どもに譲ったノートPCの一台も、キートップがラバーコーティングされたものであり、やはりねばねばし始めたため、通常のキーボードを何とかヤフオクで手に入れて交換するという手間を要した。メーカーに再考を促したいと思う。

 また、REALFORCEの採用するステップスカルプチャーについては、キーの各列の傾斜をよりタイプし易い角度に最適化したという。これは、単なる外観の見栄えとは異なる工業デザインにおける、キーボードの本質に関わる製品価値に対する東プレのこだわりの表れの一つとして、高評価を与えることができる。

 さらに、キーの寿命においては、REALFORCEは静電容量無接点方式の採用により、接点が接触によって摩耗することがないため、チャタリングを起こすこともなく、3000万回以上の打鍵に耐えうるとされ、1000万回とするCZ-900(k740)を大きく引き離している。両者の価格差を考慮するにしても、耐久性の点では、REALFORCEに分があるといわざるをえない。

 総じて、Illuminated Keyboard CZ-900(k740)は打鍵感(キータッチ)のよい静かなキーボードであり、REALFORCE 108UBKは現在望みうる最も快適かつ快速のキーボードの一つであるということができ、双方ともに優れたキーボードであると評しうる。後者を主に使うことになるとしても、前者も捨て難く、両者を気分によって使い分けるということになろうか。

三、
 このREALFORCE 108UBKを手にした記念に、インターネットでタイピング練習が行えるe-typingというサイトで「腕試しレベルチェック」に挑戦してみた。何度かトライしてみたものの、「平均スコア」を超えることはできなかった。タイピングの専門家やタイピングマニアの凄さを改めて思い知ることになった。

 ただ一つ言い訳することを許して頂くならば、一般的なローマ字入力と私が日頃用いているローマ字入力は異なっているということである。

 一般的なローマ字入力では「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と入力するには、「ra」、「ri」、「ru」、「re」、「ro」と打たなければならないが、私は「la」、「ri」、「ru」、「le」、「ro」と打つのである。

 MS-IMEでもATOKでも初期設定では、「la」、「li」、「lu」、「le」、「lo」は、「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」と入力されるようになっている。だがしかし、私は必ず「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」と「りゃ」、「りぃ」、「りゅ」、「りぇ」、「りょ」は、「la」、「li」、「lu」、「le」、「lo」と「lya」、「lyi」、「lyu」、「lye」、「lyo」でも入力できるように設定を変えているのである。私のすべてのPCは「ら行」を「r」でも「l」でもどちらでも打てるようにしてあるのである。

 そのようにIMEの設定を変更したとしても、単独で小書きの「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」、「ゃ」、「ゅ」、「ょ」を打つ必要がある場合には、通常「xa」、「xi」、「xu」、「xe」、「xo」、「xya」、「xyu」、「xyo」でも入力することができるのであるから不都合はない。

 その昔読んだタイピングに関する本に、可能な限り左右の指を交互に打つ方が快適で効率的なタイピングができるとされ、「ら」は右手で「l」左手で「a」、「り」は左手で「r」右手で「i」、「る」は左手で「r」右手で「u」、「れ」は右手で「l」左手で「e」、「ろ」は左手で「r」右手で「o」と打てるように設定を変更しておくのが望ましいとしるされていた。

 素直な私はこの奨めに従って、直ぐさま当時使っていたワープロ専用機の設定を変更した。以来20年以上にわたって、かたくなにこれを励行してきたのである。

 そのため、一般的なローマ字入力では、「ら」「れ」「りゃ」「りぇ」はミスタイピングとなり易く、「ら行」を意識するあまりリズムが狂って他のミスタイピングも増えることになり、だから……。

 と書いてはみたものの、ランキング上位者のスコアを見れば、おのれのタッチ・タイピングの技量の低さ、未熟さは歴然としている。高速タイピングを密かに自負していた愚かな自惚れを戒めているところである。

tag : IlluminatedKeyboardCZ-900k740REALFORCE108UBK

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そんぷうし ふうえん

Author:そんぷうし ふうえん

忙中閑は、こっそりと見出す。
カミさんと子どもたちが寝静まるのを待って、夜な夜なPCの前に端座し、その不可思議なる箱の内奥にそっと手を入れては、悦に入る日々なのであります。
時としてその手はPC以外の内奥にも。


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