「初期化」について
一、初期化とは
「初期化」という言葉が適切ではないところで用いられている場面をしばしば目にする。「初期化」という言葉が使われる場合、使う人によってその「初期」をどの時点に定めているかがまちまちで、意思の疎通に混乱を来たすことも少なくない。PCにおいて「初期化」を行ったが、期待とは異なる状態に立ち至り、慌てるという事態も時折、見受けられる。
初期化(initialization)とは、文字通り、初期の(initial)状態にすることを意味する言葉だが、コンピュータに関して用いられるようになった言葉のようである。この言葉は、今日、様々な意味で使われているため、誤解や誤用を生みやすく、注意を要する。
コンピュータに関する初期化という言葉は、大きく分けて二つの意味があるようである。ソフトウェアに関するものと、ハードウェアに関するものとがある。
二、ソフトウェアにおける初期化
ソフトウェアに関しては、主にプログラミングにおいて初期化という語が使用されている。
Wikipediaの"Initialization (programming)"には、"In computer programming, initialization is the assignment of an initial value for a data object or variable. The manner in which initialization is performed depends on programming language, as well as type, storage class, etc., of an object to be initialized."(「コンピュータ・プログラミングにおいては、初期化とは、データオブジェクトや変数に対して初期値を割り当てることである。初期化が実行される方法は、初期化されるオブジェクトのタイプやストレージクラス等によってはもちろん、プログラミング言語によっても異なる。」)と説明されている。
この場合、その性質上、初期化という語は、明確に定義されており、プログラミングを行う専門家ないしマニアによって用いられるため、誤解や誤用される恐れはなく、問題はない。問題なのは、ハードウェアに関してである。
三、ハードウェアにおける初期化
ハードウェアに関しては、この初期化という語は、多義的に用いられている。
■1. PC等に電源を入れた直後、OSが各ディバイス(ディスプレイ、RAM等)を利用することを可能にするために、ファームウェア(BIOSないしUEFI)がいったんディバイスを利用開始可能な状態にすることを指す。
このファームウェアによるディバイスの初期化は、利用者が関与することはなく、自動で行われるものである。
また、アプリケーション・ソフトウェアもその実行時に必要なディバイスを初期化する場合がある。
■2. HDD、SSD等のストレージを初期状態にすることを指す。【正確を期すべく、この項を書き改めた。(2016.2.7)】
HDDやSSDの場合、初期状態とはどの状態を指すのであろうか。
・ パーティションが作成され、そのパーティションはいずれかのファイルシステム(NTFS、FAT32、Linux ext4、Apple HFS等)に基づいてフォーマットされているが、それ以外のデータが存在しない状態をいうのか。
・ パーティションが削除されて、物理上のドライブ内が全て未割当て領域となっている状態を指すのか。
・ パーティションを作成することをパーティショニングというが、そのパーティショニングの方式には、MBR(Master Boot Record)とGPT(GUID Partition Table)の2つのスタイルがあり(パーティション・スタイルとも呼ばれる)、いずれのスタイルも施されていない状態をいうのか。
ストレージの初期化が求められる場合、一般的には、パーティション・スタイル未設定の状態にすることまで要求されることはなく、その場合の初期化は、パーティションが作成されていない状態にすることを指すのが通常であろう。つまり、パーティションのない未割当て領域にすることが、ストレージの初期化であるといえる。
初期化とフォーマットは混同されていることが多い。辞書などには、formatの訳に「初期化」を挙げているものが少なくなく、Wiktionaryの"initialize"では、"(computing) To format a storage medium prior to use"と説明されている。
なるほど、初期化の一つがフォーマットだということも可能かもしれない。しかし、ストレージには、パーティションも作成されておらず、当然ファイルシステムも設定されていない状態が存在し、その状態にすることを「初期化」と呼ぶ以外に適切な呼び方がない以上、フォーマットも「初期化」としたのでは混乱の元である。パーティションを作成し、そのパーティション内をフォーマットすることによってストレージは特定のOS等に認識され、利用可能となるが、初期化はパーティショニングやフォーマティングを巻き戻す、それらとは逆向きの処理だということもできよう。(論理フォーマットについては、「フォーマット、その2~論理フォーマット」にその概略をまとめた。)
また、近時のHDDは購入時の状態ではパーティション・スタイルが設定されていないこともあり、そのHDDをPCで使用する場合には、当然、MBRかGPTのどちらのスタイルを使用するかを決定しなければならないが、これを「ディスクの初期化」と呼ぶことがある。Windowsでは、「ディスクの管理」を開くときに、パーティション・スタイルが設定されていないディスクを検出すると、自動的に「ディスクの初期化」と題されたダイアログボックスが開き、MBRかGPTの選択が求められる。その後、パーティションの作成へと進むことになる。
この用語法からも、ストレージにおける初期化は、ストレージを、MBRかGPTのいずれかのパーティション・スタイルが設定されいるものの、未だパーティションは作成されていない状態にすることと解される。
この場合、注意すべきことは、HDDやSSDを初期化、即ち未割当て領域にしたとしても、それに保存されていたデータが全て消去される訳ではないことである。保存データを完全に消去するには、それ専用の抹消ソフトなどを使う必要がある(「Secure Eraseとは」参照)。そして、例えば、Secure Eraseを実行した場合には、ディスクに保存されたデータのみならず、MBRないしGPT領域の情報も全て抹消されるため、パーティション・スタイルも当然未設定となる。
なお、「ボリューム」という用語も使われるが、これはOSから1つのドライブとして見える領域を指すと捉えることができる。ベーシックディスクでは、1つのプライマリパーティションは1つのボリュームとして認識され、拡張パーティションは論理ドライブごとに1つのボリュームとして認識される。Windowsにおいては、ディスクに対して、先ずPartition Managerがパーティションを作成し、それをVolume Managerが管理するのである。これに対し、Windows独自のダイナミックディスクでは、通常のパーティションの作成方式とは異なるLogical Disk Manager (LDM)によってパーティションが作成される。これをVolume Managerが、スパンボリューム・ストライプボリューム等として管理することになる。よって、ダイナミックボリュームは他のOSから認識されない。
また、ベンダーがHDD等に対して行うHPA又はDCOの設定やHDDの製造工程で行われるフォーマット(ローレベル・フォーマットとも物理フォーマットとも呼ばれる)は、一般の利用者が通常行う初期化や論理フォーマットとは当然区別される(参照「フォーマット、その1~物理フォーマット」)。
■3. PC等を工場出荷時(購入時)の状態に戻すことを指す場合がある。
既製のPCは、OSやアプリケーションがインストールされた状態で出荷されるので、その状態に戻すことは「リカバリ」又は「再セットアップ」などと呼ばれるのが通例である。
◆(1) ところが、PCを工場出荷時ないし購入時の状態に戻すことをWeb上で「PCの初期化」と呼ぶ者が少なくないため、紛らわしいことになっている。
ほとんどのPCメーカーないしベンダーが、その公式サイト又はマニュアルにおいて、「PCを工場出荷時(購入時)の状態に戻すこと」を「リカバリ」又は「再セットアップ」又は「再インストール」と呼んでいるにもかかわらず、敢えてこれを「PCの初期化」などと表記するならば、この「PCの初期化」が、PCのOSがインストールされているHDD等の初期化を指しているのか、PCをOSやアプリケーションがインストールされた工場出荷時ないし購入時の状態に戻すことを指しているのか、我々はこの言葉に出会うたびに、確認する作業を強いられることになる。
殊に、PCに不慣れな人は、Web上に散見される「PCの初期化」がPCをどの状態に戻すことを指しているのか明確に理解することができず、それを「HDD/SSDの初期化」と混同してしまうことさえある。実際、質問掲示板において、「PCの初期化」という呼称が一般的だと思い込み、その呼称を使いつつも、その意味するところがよく分からず、戸惑っている投稿を幾つも目にすることができる。
やはり、PCにおいて利用者が行う「初期化」は、ストレージに対する初期化という意味に限定し、PCを工場出荷時ないし購入時状態に戻すことは、ほとんどのPCメーカーによって用いられている「リカバリ」又は「再セットアップ」といったHDD/SSDの初期化と混同するおそれのない言葉で表現すべきであろう。
◆(2) また、海外のPCメーカーも、英語でPCをFactory Settingsに戻すと表現する場合、recover(y)やrestoreという語を使っており、initializeやinitializationという語は使っていないのである。
さらに、Windows8、8.1、10には、「(この)PCを初期状態に戻す」という機能が備わっている。英語版でこれは、「Reset your(this) PC」と表記されており、「Initialize your(this) PC」とは表記されていない。これに対し、前述の「ディスクの管理(Disk Management)」における「ディスクの初期化」は、英語版では「Initialize Disk」と表記され、それを行っていないディスクは「Not Initialized(初期化されていません)」と表示されるのである。だからこそ、「Reset this PC」は、日本語版でも「このPCを初期化する」とは訳さず、「このPCを初期状態に戻す」と翻訳しているのである。Web上において安易に「PCの初期化」という表現を用いる人は、このMicrosoftの表記選択にも思いを致すべきである。
因みに、Windows10で「このPCを初期状態に戻す」の「全てを削除してWindowsを再インストールする」を実行したとしても、通常の「再セットアップ」と異なり、購入時の状態になるのではなく、更新プログラムが適用された状態となるとのこと(「Windows 10でハードディスク内のデータから再セットアップを行う方法」)。
◆(3) しかも、「PCの初期化」は、PCの動きが鈍くなった場合の回復手段とされることすらある。
確かに、PCをリカバリすれば一時的にはある程度PCの動きは軽快になるが、PCが重くならないような処置を採らなければ直ぐに元の状態に戻るであろうし、必要なアプリケーションを再インストールし、バックアップしたデータを戻し、遺漏なく種々の設定をし直すという気の滅入るような手間を考えると、到底お勧めできる手段ではない。
いずれのPCのマニュアルも、リカバリ(再セットアップ)をPCが容易には回復しえない不具合に見舞われた場合(ウィルスに感染した場合等)の最終手段としているのは、事の性質からして当然といえば当然である。
寧ろ、PCが重くなる原因を取り除き(定期的な不要ファイルの削除とデフラグ、Prefetchフォルダ内の定期的な整理、不要時のWeb切断、常駐ソフトの見直し、システム保護の無効化等々)、ハードウェアを交換・増設する(HDDのSSDへの交換、CPUやグラフィックスカードの交換、メモリの増設等々)方が、PCの動きを軽くするためには有効であろう。
◆(4) なお、自作PCにおいては、好みのパーツを購入し、譲り受け、流用してマシンを組み上げ、そこへお気に入りのOSをシングルないしマルチブートという形でインストールし、様々なアプリケーションをインストールしていくのであるから、自作する者の間では「PCの初期化」といった漠然とした不明確な言葉が用いられることはない。
■4. 光学ディスク、フロッピーディスク等のフォーマットを指す場合がある。
記憶媒体(記録媒体、storage media、recording media、memory media)は、広義には、磁気的なHDDやフロッピーディスク、電子的なSSDやUSBメモリ、光学的なDVD-RやBD-R等を含む、情報を記録する媒体の総称として用いられる。しかし、それは、狭義には、情報を記録する装置(ドライブ)とそれによって情報が記録され、その情報を保持する物体が分離可能である場合に、情報が保存されている物体を指すこともある。その場合、特に「記憶メディア・記録メディア」と片仮名で表記することが多いようである。
この狭義の記録メディアであるCD-RやDVD-Rなどの光学ディスクやフロッピーディスクにおいては、フォーマットと初期化はほぼ同義に使用されている。
フォーマットと初期化を明確に区別すべき前述したHDD、SSD、USBメモリなどの記憶媒体とどこが異なるのか。両者を分ける大きな相違点は、パーティションの有無である。HDD等には、パーティションという区画が用いられるのに対して、光学ディスク等には用いられない。HDD等においては、繰り返しになるが、パーティションが作成されていない状態、いわゆる未割当て領域という状態が存在し、その状態にすることが初期化である。パーティションが作成され、その領域内に特定の記録方式が適用されること、即ちフォーマット(より正確には、論理フォーマット)されることによって、記録することが可能となる。これに対し、光学ディスク等では、パーティションという区画は使用されず、各ディスクは単一の領域として認識され、ディスクの種類ごとに採用されている記録方式に基づく処理、即ちフォーマットがディスクに施されることにって使用可能となる。
光学ディスク等の場合、それを使用可能な状態にする作業は、フォーマットのみであるため、これを初期化と呼ぶこともあり、そう呼んだとしても誤解するおそれはないのである。
■5 文脈によっては、単にデータの消去を表す場合がある。.
四、改めて初期化とは
こうして見てくると、コンピュータにおける「初期化(initialization)」とは、単なる初期状態にすることではない。さらに言えば、リセット(reset、初期状態に戻すこと)やリカバリ(recovery)・再セットアップという操作に見られる「元に戻す」という概念すら、「初期化」には含まれていないと考えられる。購入したばかりの未使用のHDDを「初期化」する場合を考えてみれば分かろう。
改めて、コンピュータにおける「初期化」とは、「ソフトウェア又はコンピュータを構成する若しくはそれに付属する独立性を有する装置を、その利用を開始することが可能となるよう、共通に定められている状態にすること」と定義することができるのではなかろうか。そうだとすれば、各メーカーやベンダーあるいは自作する者がそれぞれに種々のディバイスを組み合わせ、様々なOSやアプリケーションをインストールして構成するPCにおいては、そもそも使用開始可能な共通の状態など措定しえようはずがない。そうである以上、「PCの初期化」が何を意味するのか理解不能とならざるをえない。にもかかわらず、「PCの初期化」という曖昧で不明確な言葉を使い続ける限り、混乱と誤解は避けようがないであろう。
「初期化」という言葉が適切ではないところで用いられている場面をしばしば目にする。「初期化」という言葉が使われる場合、使う人によってその「初期」をどの時点に定めているかがまちまちで、意思の疎通に混乱を来たすことも少なくない。PCにおいて「初期化」を行ったが、期待とは異なる状態に立ち至り、慌てるという事態も時折、見受けられる。
初期化(initialization)とは、文字通り、初期の(initial)状態にすることを意味する言葉だが、コンピュータに関して用いられるようになった言葉のようである。この言葉は、今日、様々な意味で使われているため、誤解や誤用を生みやすく、注意を要する。
コンピュータに関する初期化という言葉は、大きく分けて二つの意味があるようである。ソフトウェアに関するものと、ハードウェアに関するものとがある。
二、ソフトウェアにおける初期化
ソフトウェアに関しては、主にプログラミングにおいて初期化という語が使用されている。
Wikipediaの"Initialization (programming)"には、"In computer programming, initialization is the assignment of an initial value for a data object or variable. The manner in which initialization is performed depends on programming language, as well as type, storage class, etc., of an object to be initialized."(「コンピュータ・プログラミングにおいては、初期化とは、データオブジェクトや変数に対して初期値を割り当てることである。初期化が実行される方法は、初期化されるオブジェクトのタイプやストレージクラス等によってはもちろん、プログラミング言語によっても異なる。」)と説明されている。
この場合、その性質上、初期化という語は、明確に定義されており、プログラミングを行う専門家ないしマニアによって用いられるため、誤解や誤用される恐れはなく、問題はない。問題なのは、ハードウェアに関してである。
三、ハードウェアにおける初期化
ハードウェアに関しては、この初期化という語は、多義的に用いられている。
■1. PC等に電源を入れた直後、OSが各ディバイス(ディスプレイ、RAM等)を利用することを可能にするために、ファームウェア(BIOSないしUEFI)がいったんディバイスを利用開始可能な状態にすることを指す。
このファームウェアによるディバイスの初期化は、利用者が関与することはなく、自動で行われるものである。
また、アプリケーション・ソフトウェアもその実行時に必要なディバイスを初期化する場合がある。
※【追記】:BIOSの初期化について
ところで、「BIOS/UEFIの初期化」という表現が使われることがある。
この表現も多義的である。
◆(1) 一つは、CMOSクリアを指す場合である。
CMOSとは、Complementary Metal-Oxide Semiconductor(相補型金属酸化膜半導体)のことであり、これを用いた回路や半導体チップを指すこともある。近時は、カメラのイメージセンサに用いられていることから、広く一般にも知られるようになった言葉であるが、コンピュータにおいては、BIOSの設定情報を保存するマザーボード上の不揮発性RAM(Non-Volatile RAM、NVRAM)を指す言葉として使われてきた。それは、Motorola社のMC146818に代表される、電源切断時に小型のバッテリ(ボタン電池等)によって電力が供給されることによって不揮発性を維持するCMOS SRAM(Static Random Access Memory)がそのメモリとして用いられたからだとされる(当時のMC146818Aのデータシートを見ると、冒頭のページに「CMOS」と大書されている)。そのため、CMOS RAMとも呼ばれる(参照:Wikipedia、「Nonvolatile BIOS memory」)。
CMOSは、また、持続的に電力が供給されることから、システム時計、リアルタイムクロック(Real Time Clock、RTC)に時間を刻ませるためにも使用される。従って、RTC RAMとも表記され、CMOSクリアは、マザーボード上に「CLR_RTC」などと略記されることもある。
このCMOSをクリアすれば、BIOS又はUEFIの設定情報は一旦消去されることになる。
マザーボードメーカーやPC自作者は、このようにNVRAM内のBIOS/UEFIの設定情報を消去することを「CMOSクリア」と表現してきたのである。BIOS/UEFIの誤作動による不具合を解消するために、あるいはマザーボードを譲渡する場合に、CMOSクリアが行われる。
◆(2) もう一つは、BIOS又はUEFIの変更可能な設定事項を予め定められている初期の既定値(デフォルト値)に戻すことを指す。
これは、通常BIOS/UEFIの設定画面から行うことができ、「Load Setup Defaults」、「Load Optimized Defaults」、「デフォルト値をロードする」などと表示される。
これを実行すると、BIOS/UEFIの変更可能設定事項がデフォルト値に戻ることになる。
◆(3) これら二つの操作は、CMOS即ちNVRAM内の記憶情報に関するものであるが、両者の異同を理解する上で注意すべき点は、CMOSをクリアしようが、デフォルト値をロードしようが、BIOS/UEFIそのものが消失するわけでも、書き換えられるわけでもない、ということである。BIOS/UEFI自体は、マザーボード上のCMOSとは異なるFlash ROM(フラッシュメモリ、特にBIOS/UEFIが書き込まれたものをBIOS Chipとも呼ばれる)に保存されている。NVRAMには、あくまでその設定情報が記憶されているだけなのである。

【写真はBIOSTARのG31-M7から取り外したFlash ROM(BIOS Chip)である(AMIC製 A25L040-F)。DIL-8/DIP-8というICソケットに装着されるタイプのパッケージであり、ASUSやASRockのマザーボードに多く使われている。その他にPLCC-32やSOP-8/SOIC-8というタイプもあるが、後者は半田付けされるタイプでGIGABYTEやノートPCのマザーボードに主に使われている。】
CMOSがクリアされると、一旦、RTCの現在の時刻情報、BIOS/UEFIの設定情報、接続ディバイスの情報等が全て失われる。そして、改めてRTCは初期値とされた時刻から積算を始め、次回起動時に、Flash ROM内のBIOS/UEFIのデフォルト値の設定情報がCMOSに読み込まれ、接続しているディバイスの情報も改めて読み込まれるのである。そのため、CMOSクリア後は、RTCの時刻を再設定し、設定を変更していた事項は設定し直す必要がある。
これに対して、「デフォルト値をロードする」を実行すると、Flash ROM内のBIOS/UEFIからデフォルト値がCMOSに読み込まれることになる。「ロードする(Load)」と表現されるのはそのためである。この場合、設定変更値がデフォルト値に戻るだけである。
Flash ROMに保存されているBIOS/UEFIというファームウェア自体は、通常書き換えられることがない以上、「BIOS/UEFIの初期化」という表現は不適切であるとする意見がある(Wikipedia、「Basic Input/Output System」)。
勿論、BIOS/UEFIのバージョンを更新すれば、当然Flash ROM内のBIOS/UEFIは新たなバージョンに書き換えられる。その際、旧バージョンに戻すことはできないとするマザーボードも多いが、旧バージョンあるいは工場出荷時のバージョンに戻すことが可能なものもある。この場合こそが「BIOS/UEFIの初期化」と呼ぶことができると言うのである。
しかしながら、PCにおいてハードウェアとOSの橋渡しを行うBIOS/UEFIというファームウェアの持つ重要な役割を考えると、上記の如くいずれの意味にも解されうる「BIOS/UEFIの初期化」といった表現を用いることはできる限り避けるべきであろう。
むしろ、Flash ROMは取り外して、ROMライター(EEPROM Programmer)でBIOS/UEFIを消去して書き換えることが可能であるから、この場合の「消去」こそがまさに「BIOS/UEFIの初期化」であると言えるかもしれない。
◆(4) また、UEFI環境においてCMOSクリアを行う場合に、留意しておかなければならないことは、マザーボード上のNVRAMに保存される起動OSに関するエントリ情報(NVRAM変数、NVRAM variables)も消去されるということである。Boot Optionにブートエントリとして登録された各OSローダやその起動順位などの情報がNVRAMに格納されており、CMOSクリアを行えばそれらも当然失われる。そのため、OSが起動できないことにもなりかねない。
ところが、OSやマザーボードによっては、ブートエントリにOSローダが存在しない場合、電源投入後自動的に接続ストレージの中からEFI System Partition(ESP)を探し出し、その中のOSローダ、特にWindowsのbootmgfw.efi(Windows Boot Manager、識別子{bootmgr})を検出してNVRAMにブートエントリが再登録されることがある(「Windows 10 PC UEFIの役割としくみ 」)。これは、UEFI仕様書(Version 2.6)にあるOS-Defined Boot Option Recovery(Section 3.4.1)ないしPlatform-Defined Boot Option Recovery(Section 3.4.2)による振る舞いなのであろうか。これを厄介と見る向きもあるが。
そのような機能が備わっていなくとも、Linuxの場合、efibootmgrのパッケージを含んだをFedoraやUbuntuなどのLinux系のLive DVDやLive USBがあれば、efibootmgrコマンドで直接NVRAMのUEFI Boot Managerの設定を操作することが可能であるから、改めてブートエントリーを作成することができる。勿論、efibootmgrを使ってWindowsのOSローダをエントリに復活させることも可能である。
Windowsに関しては、TechNetのライブラリに次のような記述がある(「BCDとNVRAMで重複しているファームウェア オブジェクトを削除する」)。
bcdedit /enumコマンドを実行してBCD(Boot Configuration Data)を開くと、NVRAMのエントリとESP内のBCDのエントリが比較され、NVRAMのエントリのうちBCDに存在しないものが、BCDに追加される。bcdeditによってBCDを閉じると、BCDのエントリのうちNVRAMに存在しないものがNVRAMに追加される。
だとすれば、回復オプションからコマンドプロンプトを呼び出し、あるいは起動ディスク等から直接Windowsを起動させてコマンドプロンプトを呼び出して、bcdedit /enumコマンドを実行して閉じるだけで両者は同期され、BCDのエントリがNVRAMのエントリに追加されることになる。これが功を奏さなければ、bcdedit /importコマンドによってBCDの全てのオブジェクトをNVRAMにコピーすることもできる。
こうしてWindows Boot Manager(bootmgfw.efi)がエントリに登録され、ブート順位が1位に設定されることになる。次回起動時には、正常にWindowsが起動することになる。
しかし、ESP内のBCDファイルが破損している場合には、上記の方法は使えないので、bcdbootコマンドを使ってBCDを再作成しなければならない(「BCDboot のコマンド ライン オプション」)。
例えば、bcdboot C:\Windows /l ja-jpと打つと、C:\WindowsフォルダーにあるBCDファイルを使ってESP内にBCDブート環境ファイルが改めて作成される。それと同時にBCDBootは、NVRAM内にWindows Boot Managerのエントリを作成してくれるのである。
なお、上記MSDNの「BCDboot のコマンド ライン オプション」のWebページにある説明(コマンドラインオプション、/s項目内のUEFIの解説)には、日本語でこう記載されている。
「既定では、BCDBoot は、ファームウェア上の NVRAM 内に Windows ブート マネージャー エントリを作成し、システム パーティション上のブート ファイルを識別します。/s オプションが使われない場合、このエントリは作成されません。」
これは明らかに矛盾した表現である。/s オプションを使わないのが既定ではないのか。その場合、エントリは作成されるのか、されないのか。この記載には悩まされた。
そこで、英語版の"BCDBoot Command-Line Options"を見ると、
"By default, BCDBoot creates a Windows Boot Manager entry in the NVRAM on the firmware to identify the boot files on the system partition. If the /s option is used, then this entry is not created."、とある。「/s オプションが使われる場合、このエントリは作成されません。」とすべきところ、誤って正反対の意味に翻訳されていたのである。混乱しないように。
また、そこには「UEFI 2.3.1 仕様により、既定のファームウェア設定は、EFI システム パーティション (ESP) のファイル \efi\boot\bootx64.efi を開きます。」との記述もある。つまり、UEFIは、NVRAM内に起動順位が設定されていない、若しくは存在しない起動オプションを指定していた場合、又はいずれのエントリも実行することに成功しなかった場合には、ESP内の\efi\boot\bootx64.efiを読み取りに行くということになる(https://forums.ubuntulinux.jp/viewtopic.php?id=14565)。Windowsでは、インストール時にESPの\efi\Microsoft\boot内のbootmgfw.efiと同一のOSローダがbootx64.efiという名前で作成されているようである。これによって、万が一NVRAMの読み込みに失敗しても、Windowsは起動することが可能となるのである。(2016.9.15)
※ UEFIについては、こちらhttp://blog.phooen.com/blog-entry-50.htmlもご一読下さい。
ところで、「BIOS/UEFIの初期化」という表現が使われることがある。
この表現も多義的である。
◆(1) 一つは、CMOSクリアを指す場合である。
CMOSとは、Complementary Metal-Oxide Semiconductor(相補型金属酸化膜半導体)のことであり、これを用いた回路や半導体チップを指すこともある。近時は、カメラのイメージセンサに用いられていることから、広く一般にも知られるようになった言葉であるが、コンピュータにおいては、BIOSの設定情報を保存するマザーボード上の不揮発性RAM(Non-Volatile RAM、NVRAM)を指す言葉として使われてきた。それは、Motorola社のMC146818に代表される、電源切断時に小型のバッテリ(ボタン電池等)によって電力が供給されることによって不揮発性を維持するCMOS SRAM(Static Random Access Memory)がそのメモリとして用いられたからだとされる(当時のMC146818Aのデータシートを見ると、冒頭のページに「CMOS」と大書されている)。そのため、CMOS RAMとも呼ばれる(参照:Wikipedia、「Nonvolatile BIOS memory」)。
CMOSは、また、持続的に電力が供給されることから、システム時計、リアルタイムクロック(Real Time Clock、RTC)に時間を刻ませるためにも使用される。従って、RTC RAMとも表記され、CMOSクリアは、マザーボード上に「CLR_RTC」などと略記されることもある。
このCMOSをクリアすれば、BIOS又はUEFIの設定情報は一旦消去されることになる。
マザーボードメーカーやPC自作者は、このようにNVRAM内のBIOS/UEFIの設定情報を消去することを「CMOSクリア」と表現してきたのである。BIOS/UEFIの誤作動による不具合を解消するために、あるいはマザーボードを譲渡する場合に、CMOSクリアが行われる。
◆(2) もう一つは、BIOS又はUEFIの変更可能な設定事項を予め定められている初期の既定値(デフォルト値)に戻すことを指す。
これは、通常BIOS/UEFIの設定画面から行うことができ、「Load Setup Defaults」、「Load Optimized Defaults」、「デフォルト値をロードする」などと表示される。
これを実行すると、BIOS/UEFIの変更可能設定事項がデフォルト値に戻ることになる。
◆(3) これら二つの操作は、CMOS即ちNVRAM内の記憶情報に関するものであるが、両者の異同を理解する上で注意すべき点は、CMOSをクリアしようが、デフォルト値をロードしようが、BIOS/UEFIそのものが消失するわけでも、書き換えられるわけでもない、ということである。BIOS/UEFI自体は、マザーボード上のCMOSとは異なるFlash ROM(フラッシュメモリ、特にBIOS/UEFIが書き込まれたものをBIOS Chipとも呼ばれる)に保存されている。NVRAMには、あくまでその設定情報が記憶されているだけなのである。



【写真はBIOSTARのG31-M7から取り外したFlash ROM(BIOS Chip)である(AMIC製 A25L040-F)。DIL-8/DIP-8というICソケットに装着されるタイプのパッケージであり、ASUSやASRockのマザーボードに多く使われている。その他にPLCC-32やSOP-8/SOIC-8というタイプもあるが、後者は半田付けされるタイプでGIGABYTEやノートPCのマザーボードに主に使われている。】
CMOSがクリアされると、一旦、RTCの現在の時刻情報、BIOS/UEFIの設定情報、接続ディバイスの情報等が全て失われる。そして、改めてRTCは初期値とされた時刻から積算を始め、次回起動時に、Flash ROM内のBIOS/UEFIのデフォルト値の設定情報がCMOSに読み込まれ、接続しているディバイスの情報も改めて読み込まれるのである。そのため、CMOSクリア後は、RTCの時刻を再設定し、設定を変更していた事項は設定し直す必要がある。
これに対して、「デフォルト値をロードする」を実行すると、Flash ROM内のBIOS/UEFIからデフォルト値がCMOSに読み込まれることになる。「ロードする(Load)」と表現されるのはそのためである。この場合、設定変更値がデフォルト値に戻るだけである。
Flash ROMに保存されているBIOS/UEFIというファームウェア自体は、通常書き換えられることがない以上、「BIOS/UEFIの初期化」という表現は不適切であるとする意見がある(Wikipedia、「Basic Input/Output System」)。
勿論、BIOS/UEFIのバージョンを更新すれば、当然Flash ROM内のBIOS/UEFIは新たなバージョンに書き換えられる。その際、旧バージョンに戻すことはできないとするマザーボードも多いが、旧バージョンあるいは工場出荷時のバージョンに戻すことが可能なものもある。この場合こそが「BIOS/UEFIの初期化」と呼ぶことができると言うのである。
しかしながら、PCにおいてハードウェアとOSの橋渡しを行うBIOS/UEFIというファームウェアの持つ重要な役割を考えると、上記の如くいずれの意味にも解されうる「BIOS/UEFIの初期化」といった表現を用いることはできる限り避けるべきであろう。
むしろ、Flash ROMは取り外して、ROMライター(EEPROM Programmer)でBIOS/UEFIを消去して書き換えることが可能であるから、この場合の「消去」こそがまさに「BIOS/UEFIの初期化」であると言えるかもしれない。
◆(4) また、UEFI環境においてCMOSクリアを行う場合に、留意しておかなければならないことは、マザーボード上のNVRAMに保存される起動OSに関するエントリ情報(NVRAM変数、NVRAM variables)も消去されるということである。Boot Optionにブートエントリとして登録された各OSローダやその起動順位などの情報がNVRAMに格納されており、CMOSクリアを行えばそれらも当然失われる。そのため、OSが起動できないことにもなりかねない。
ところが、OSやマザーボードによっては、ブートエントリにOSローダが存在しない場合、電源投入後自動的に接続ストレージの中からEFI System Partition(ESP)を探し出し、その中のOSローダ、特にWindowsのbootmgfw.efi(Windows Boot Manager、識別子{bootmgr})を検出してNVRAMにブートエントリが再登録されることがある(「Windows 10 PC UEFIの役割としくみ 」)。これは、UEFI仕様書(Version 2.6)にあるOS-Defined Boot Option Recovery(Section 3.4.1)ないしPlatform-Defined Boot Option Recovery(Section 3.4.2)による振る舞いなのであろうか。これを厄介と見る向きもあるが。
そのような機能が備わっていなくとも、Linuxの場合、efibootmgrのパッケージを含んだをFedoraやUbuntuなどのLinux系のLive DVDやLive USBがあれば、efibootmgrコマンドで直接NVRAMのUEFI Boot Managerの設定を操作することが可能であるから、改めてブートエントリーを作成することができる。勿論、efibootmgrを使ってWindowsのOSローダをエントリに復活させることも可能である。
Windowsに関しては、TechNetのライブラリに次のような記述がある(「BCDとNVRAMで重複しているファームウェア オブジェクトを削除する」)。
bcdedit /enumコマンドを実行してBCD(Boot Configuration Data)を開くと、NVRAMのエントリとESP内のBCDのエントリが比較され、NVRAMのエントリのうちBCDに存在しないものが、BCDに追加される。bcdeditによってBCDを閉じると、BCDのエントリのうちNVRAMに存在しないものがNVRAMに追加される。
だとすれば、回復オプションからコマンドプロンプトを呼び出し、あるいは起動ディスク等から直接Windowsを起動させてコマンドプロンプトを呼び出して、bcdedit /enumコマンドを実行して閉じるだけで両者は同期され、BCDのエントリがNVRAMのエントリに追加されることになる。これが功を奏さなければ、bcdedit /importコマンドによってBCDの全てのオブジェクトをNVRAMにコピーすることもできる。
こうしてWindows Boot Manager(bootmgfw.efi)がエントリに登録され、ブート順位が1位に設定されることになる。次回起動時には、正常にWindowsが起動することになる。
しかし、ESP内のBCDファイルが破損している場合には、上記の方法は使えないので、bcdbootコマンドを使ってBCDを再作成しなければならない(「BCDboot のコマンド ライン オプション」)。
例えば、bcdboot C:\Windows /l ja-jpと打つと、C:\WindowsフォルダーにあるBCDファイルを使ってESP内にBCDブート環境ファイルが改めて作成される。それと同時にBCDBootは、NVRAM内にWindows Boot Managerのエントリを作成してくれるのである。
なお、上記MSDNの「BCDboot のコマンド ライン オプション」のWebページにある説明(コマンドラインオプション、/s
「既定では、BCDBoot は、ファームウェア上の NVRAM 内に Windows ブート マネージャー エントリを作成し、システム パーティション上のブート ファイルを識別します。/s オプションが使われない場合、このエントリは作成されません。」
これは明らかに矛盾した表現である。/s オプションを使わないのが既定ではないのか。その場合、エントリは作成されるのか、されないのか。この記載には悩まされた。
そこで、英語版の"BCDBoot Command-Line Options"を見ると、
"By default, BCDBoot creates a Windows Boot Manager entry in the NVRAM on the firmware to identify the boot files on the system partition. If the /s option is used, then this entry is not created."、とある。「/s オプションが使われる場合、このエントリは作成されません。」とすべきところ、誤って正反対の意味に翻訳されていたのである。混乱しないように。
また、そこには「UEFI 2.3.1 仕様により、既定のファームウェア設定は、EFI システム パーティション (ESP) のファイル \efi\boot\bootx64.efi を開きます。」との記述もある。つまり、UEFIは、NVRAM内に起動順位が設定されていない、若しくは存在しない起動オプションを指定していた場合、又はいずれのエントリも実行することに成功しなかった場合には、ESP内の\efi\boot\bootx64.efiを読み取りに行くということになる(https://forums.ubuntulinux.jp/viewtopic.php?id=14565)。Windowsでは、インストール時にESPの\efi\Microsoft\boot内のbootmgfw.efiと同一のOSローダがbootx64.efiという名前で作成されているようである。これによって、万が一NVRAMの読み込みに失敗しても、Windowsは起動することが可能となるのである。(2016.9.15)
※ UEFIについては、こちらhttp://blog.phooen.com/blog-entry-50.htmlもご一読下さい。
■2. HDD、SSD等のストレージを初期状態にすることを指す。【正確を期すべく、この項を書き改めた。(2016.2.7)】
HDDやSSDの場合、初期状態とはどの状態を指すのであろうか。
・ パーティションが作成され、そのパーティションはいずれかのファイルシステム(NTFS、FAT32、Linux ext4、Apple HFS等)に基づいてフォーマットされているが、それ以外のデータが存在しない状態をいうのか。
・ パーティションが削除されて、物理上のドライブ内が全て未割当て領域となっている状態を指すのか。
・ パーティションを作成することをパーティショニングというが、そのパーティショニングの方式には、MBR(Master Boot Record)とGPT(GUID Partition Table)の2つのスタイルがあり(パーティション・スタイルとも呼ばれる)、いずれのスタイルも施されていない状態をいうのか。
ストレージの初期化が求められる場合、一般的には、パーティション・スタイル未設定の状態にすることまで要求されることはなく、その場合の初期化は、パーティションが作成されていない状態にすることを指すのが通常であろう。つまり、パーティションのない未割当て領域にすることが、ストレージの初期化であるといえる。
初期化とフォーマットは混同されていることが多い。辞書などには、formatの訳に「初期化」を挙げているものが少なくなく、Wiktionaryの"initialize"では、"(computing) To format a storage medium prior to use"と説明されている。
なるほど、初期化の一つがフォーマットだということも可能かもしれない。しかし、ストレージには、パーティションも作成されておらず、当然ファイルシステムも設定されていない状態が存在し、その状態にすることを「初期化」と呼ぶ以外に適切な呼び方がない以上、フォーマットも「初期化」としたのでは混乱の元である。パーティションを作成し、そのパーティション内をフォーマットすることによってストレージは特定のOS等に認識され、利用可能となるが、初期化はパーティショニングやフォーマティングを巻き戻す、それらとは逆向きの処理だということもできよう。(論理フォーマットについては、「フォーマット、その2~論理フォーマット」にその概略をまとめた。)
また、近時のHDDは購入時の状態ではパーティション・スタイルが設定されていないこともあり、そのHDDをPCで使用する場合には、当然、MBRかGPTのどちらのスタイルを使用するかを決定しなければならないが、これを「ディスクの初期化」と呼ぶことがある。Windowsでは、「ディスクの管理」を開くときに、パーティション・スタイルが設定されていないディスクを検出すると、自動的に「ディスクの初期化」と題されたダイアログボックスが開き、MBRかGPTの選択が求められる。その後、パーティションの作成へと進むことになる。
この用語法からも、ストレージにおける初期化は、ストレージを、MBRかGPTのいずれかのパーティション・スタイルが設定されいるものの、未だパーティションは作成されていない状態にすることと解される。
この場合、注意すべきことは、HDDやSSDを初期化、即ち未割当て領域にしたとしても、それに保存されていたデータが全て消去される訳ではないことである。保存データを完全に消去するには、それ専用の抹消ソフトなどを使う必要がある(「Secure Eraseとは」参照)。そして、例えば、Secure Eraseを実行した場合には、ディスクに保存されたデータのみならず、MBRないしGPT領域の情報も全て抹消されるため、パーティション・スタイルも当然未設定となる。
なお、「ボリューム」という用語も使われるが、これはOSから1つのドライブとして見える領域を指すと捉えることができる。ベーシックディスクでは、1つのプライマリパーティションは1つのボリュームとして認識され、拡張パーティションは論理ドライブごとに1つのボリュームとして認識される。Windowsにおいては、ディスクに対して、先ずPartition Managerがパーティションを作成し、それをVolume Managerが管理するのである。これに対し、Windows独自のダイナミックディスクでは、通常のパーティションの作成方式とは異なるLogical Disk Manager (LDM)によってパーティションが作成される。これをVolume Managerが、スパンボリューム・ストライプボリューム等として管理することになる。よって、ダイナミックボリュームは他のOSから認識されない。
また、ベンダーがHDD等に対して行うHPA又はDCOの設定やHDDの製造工程で行われるフォーマット(ローレベル・フォーマットとも物理フォーマットとも呼ばれる)は、一般の利用者が通常行う初期化や論理フォーマットとは当然区別される(参照「フォーマット、その1~物理フォーマット」)。
※【追記】:2TBの壁~MBRとGPT
ところで、MBR又はGPTを用いて2TBを超えるストレージを利用する場合には注意すべき点がある(拙文「フォーマット、その2~論理フォーマット」参照)。
● MBRは、ご存知のように、物理ドライブの先頭のセクタ(512バイト)に配置され、ブートストラップコード領域やディスク・シグナチャ等(446バイト)、パーティション・テーブル(4エントリ、各16バイト)、ブート・シグナチャ(2バイト)から構成されている。パーティション・テーブルの各エントリには、それぞれアクティブ(起動)フラグやパーティションの開始位置やパーティション・タイプ(パーティション拡張子とも:この1バイトのコードがNTFSやext4といったファイルシステムの種類を決定する)等の情報が格納されている。
1つのエントリにつき、パーティションの開始位置をLBA(Logical block address)方式のセクタ番号で指定するために4バイトが割り当てられ、そのパーティションの総セクタ数を定めるためにも4バイトが割り当てられている。これら2つの情報によってパーティションが作成される。4バイトは32bit(4×8bit)であるから、4バイトで識別可能な値は、2の32乗=4,294,967,296通りとなるが(数学的には2個から重複を許して32個とる順列、いわゆる重複順列)、セクタ数0を識別する必要があるためパーティションとして使用可能な総セクタ数は4,294,967,296-1=4,294,967,295セクタとなる。1セクタは通常512バイトであるから、理論上はMBRディスクで設定可能な1パーティションの最大容量は、4,294,967,295×512=2,199,023,255,040バイト=2TiB-512バイトとなる。
【1つのエントリにつき、パーティションの開始位置をLBA(Logical block address)方式のセクタ番号で指定するために4バイトが割り当てられ、そのパーティションの総セクタ数を定めるためにも4バイトが割り当てられている。これら2つの情報によってパーティションが作成される。4バイトを16進数で表すと、最小値は「00 00 00 00」、最大値は「FF FF FF FF」となるから、パーティションとして使用可能な最大総セクタ数は4,294,967,295となる。1セクタを512バイトとするディスクの場合、4,294,967,295(セクタ)×512(バイト)=2,199,023,255,040バイト=2TiB-512バイトが、理論上MBRディスクで設定可能な1パーティションの最大容量となる。(2017.9.17 訂正)】
●MBRディスクで、2TB超のHDDに第2パーティションを作成しようとするならば、その開始位置がLBAで第4,294,967,295セクタ(LBAでは先頭セクタは第0セクタ)を超えてMBRで指定することは不可能であるから、そうならないよう第1パーティションの容量を2TiB-512バイト(2,199,023,255,040バイト)よりも少なくしておく必要がある。これは、第2、第3パーティションについても同様である。最終パーティションを除く全パーティションの容量を2TiB-512バイトよりも少なくして、最終パーティションの開始位置を第4,294,967,295セクタかそれより前の直近に定めることができれば、最終パーティションの最大容量は2TiB-512バイトとすることが可能となる。1セクタ512バイトのディスクおいては、MBRでは単一パーティションの容量の限界は2TiB-512バイトであるが、複数のパーティションを使えば、4TiB近くまで利用することが可能となるのである。
【MBRディスクで、2TB超のHDDに第2パーティションを作成しようとするならば、その開始位置はLBA 4,294,967,295を超えてパーティション・テーブルで指定することは不可能であるから、第1パーティションの最終セクタは、LBA 4,294,967,294以内になければならない。しかも先頭セクタのLBA 0はMBRであるから、その1セクタはパーティションに含めることはできないため、第1パーティションのサイズは4,294,967,294×512 =2TiB-1024バイト=2,199,023,254,528バイトを超えないようにしておく必要がある(実際には、通常、第1パーティションの開始位置はLBA 2048であることが多いため、この場合の最大サイズは2TiB-512バイト-1MiB=2,199,022,206,464バイトとなる)。これは、3ないし4つのパーティションを使用する場合であっても同じであり、最終パーティションを除く全パーティションの合計サイズを2TiB-1024バイト以内にして、最終パーティションの開始位置をLBA 4,294,967,295又はそれより前に定めることができれば、最終パーティションを作成することが可能となる。その場合、最終パーティションの最大サイズも2TiB-512バイトとすることができる。従って、1セクタ512バイトのMBRディスクおいては、単一パーティションの容量の限界は2TiB-512バイトであり、複数のパーティションを使えば、理論上4TiB-1024バイト-512バイト=4TiB-1536バイト=4,398,046,509,568バイトまでパーティションとして利用することが可能となると考えられる。(2017.9.17 訂正)】
この点に関して誤解した記述がWebに散見されるが、Wikipedia("Master boot record")にも、"Since partitioning information is stored in the MBR partition table using a beginning block address and a length, it may in theory be possible to define partitions in such a way that the allocated space for a disk with 512-byte sectors gives a total size approaching 4 TiB, if all but one partition are located below the 2 TiB limit and the last one is assigned as starting at or close to block 2^3-1 and specify the size as up to 2^32-1, thereby defining a partition which requires 33 rather than 32 bits for the sector address to be accessed."と同様の考え方が示されている。
● もっとも、パーティションの開始位置については、かつてHDDのアドレッシングに採用されていたCHS(Cylinder/Head/Sector)方式において、1トラック=63セクタとするデ・ファクト・スタンダードに基づき、パーティションの境界をトラックの境界に一致させていたことなどから、新たに登場したAdvanced Formatによって物理セクタが4,096バイトとされているHDDを古いOSで使用する場合に、少し厄介な問題が生じたりもした。
● GPTディスクのパーティションの最大容量については、1パーティション・エントリでパーティションの開始LBA、終端LBAを指定するために各8バイトが割り当てられいるので、理論的には、8バイト=64bit、1セクタ512バイトで計算すると、2^64 × 512バイト、即ち8ZiB〈ゼビバイト〉が定義できる上限となる(1ZiB=1,0241EiB〈エクスビバイト〉=1,048,576PiB〈ペビバイト〉=1,073,741,824TiB=1,099,511,627,776GiB)。Windowsでは、GPTディスクのパーティションの個数は、128個までとなっている。
しかし、この容量はあくまで理論上の値であって、例えば、Windows Server 2003 SP1、Windows XP x64 edition及びそれ以降のWindowsにおいては、RAW(未フォーマット)パーティションの最大サイズは、18EB〈エクサバイト〉であり、フォーマットされたパーティションでは256TBが最大サイズとなっている(各パーティションのファイルシステムが現行では、256TBに制限されているからである)("Windows and GPT FAQ")。
Linuxにおいては、例えば、"Red Hat Enterprise Linux technology capabilities and limits"によると、Version 7の場合、Ext4ならば、最大ファイルシステムサイズは、50TBがサポートされており(理論上は、1EBとされる)、XFSならば、最大ファイルシステムサイズは、500TBがサポートされている(理論上は、16EBとされる)。
● このいわゆる「2TBの壁」には、も一つCommand Descriptor Block(CDB)の問題がある(「Over2TB」参照)。
CDBとは、PCがストレージ等のディバイスと情報をやり取りする際に用いられるコマンドの仕組みを指す。これには幾つかの種類があり、10バイトCDBと12バイトCDBには、32bit LBAが使われ、16バイトCDBには、64bit LBAも使われる。少し古いディバイスは、10バイトCDB又は12バイトCDBにしか対応していないため、これが原因で2TBを超えるHDDを認識できないことがある。
なお、上記の固定長CDB(fixed length CDB)のほかに可変長CDB(variable length CDB:可変幅は12~260バイト)もあるようである("SCSI Command Reference Manual", Seagate, 2014)。
このCDBの制約により、OSが64bit版でGPTに対応しているにもかかわらず、2TB以上のHDDを認識しないという事態が生ずる。例えば、3TBのHDDは約746GBまで、8TBのHDDは約1.4TBまでしか認識しないということになる(一般にHDDの容量の表示は、SI接頭辞が使用されている)。その場合のCDBの正確な振る舞いは調べていないが、伝送されるセクタのアドレスが32bit LBAのフィールドを超えたところで0に回帰するのであろうか。ともかく、接続するUSBや拡張ボード等のドライバを最新のものに更新することによって解決できることも多い。
● しかし、パーティションを設定し直そうとしても、一旦認識された容量を変更できないことがある。その場合は、コマンドプロンプトでDISKPARTを用いて(管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「diskpart」と入力して実行)、
「list disk」で、対象となるディスクの番号を確認し、
「select disk #(#にディスク番号を入力)」で、ディスクを選択し、
「clean」で、パーティションの管理情報が削除され、ディスク全体が未割当て領域となり、改めてパーティションを設定し直すことができるようになる。
● また、Windows等においてGPTディスクを作成しても、先頭セクタにはMBRが自動的に設定されることに注意する必要がある。これは、保護MBR(Protective MBR)と呼ばれる特殊なMBRで、GPT非対応のOSからGPTディスクにアクセスしようとしても、それを2TiB以内の単一の「GPT保護パーティション」と表示させ、内部のデータにアクセスすることはおろか、パーティションを削除することもできないようにしている。保護MBRは文字通りGPTのパーティション構成と内容を保護するものとなっている。
● ところが、GPTディスクに設定されるMBRには、この保護MBRと異なるハイブリッドMBR(Hybrid MBR)もある。GPTを適用する場合、ハイブリッドMBRという通常の機能を持つMBRを作成し、有効なMBRをGPTと併存させることも可能なのである("Hybrid MBRs"参照)。MacなどではGPTディスクを作成するとハイブリッドMBRが設定されるらしい。2TBを超えるHDDにおいて通常のMBRとGPTが併存する場合、Windowsでは、MBRが優先的に認識されるため、「大容量のMBRディスクの、最初の2TBのみが利用可能です。2TBより大きなサイズのパーティションの作成、およびディスクのダイナミックスへの変換はできません。」といったメッセージボックスが表示されることになるようである。
● さらに、Windowsでは、GPTディスクをブートディスクにするためには、UEFIに対応した環境が必要であり、BIOS環境ではGPTディスクは通常のデータディスクとしてのみアクセス可能である。Linuxには、UEFI非対応の環境であってもGPTディスクから起動できるディストリビューションもあるらしい。
● なお、MBRしか扱えないPCで2TB超のHDDを使用するために、論理セクタを512バイトから2,048や4,096バイトに仮想する方法もあり、そのためのアプリケーションもあるようである。
(正確を期すために2進接頭辞を使用している箇所もあるが、必ずしも徹底されているわけではない。)
ところで、MBR又はGPTを用いて2TBを超えるストレージを利用する場合には注意すべき点がある(拙文「フォーマット、その2~論理フォーマット」参照)。
● MBRは、ご存知のように、物理ドライブの先頭のセクタ(512バイト)に配置され、ブートストラップコード領域やディスク・シグナチャ等(446バイト)、パーティション・テーブル(4エントリ、各16バイト)、ブート・シグナチャ(2バイト)から構成されている。パーティション・テーブルの各エントリには、それぞれアクティブ(起動)フラグやパーティションの開始位置やパーティション・タイプ(パーティション拡張子とも:この1バイトのコードがNTFSやext4といったファイルシステムの種類を決定する)等の情報が格納されている。
【1つのエントリにつき、パーティションの開始位置をLBA(Logical block address)方式のセクタ番号で指定するために4バイトが割り当てられ、そのパーティションの総セクタ数を定めるためにも4バイトが割り当てられている。これら2つの情報によってパーティションが作成される。4バイトを16進数で表すと、最小値は「00 00 00 00」、最大値は「FF FF FF FF」となるから、パーティションとして使用可能な最大総セクタ数は4,294,967,295となる。1セクタを512バイトとするディスクの場合、4,294,967,295(セクタ)×512(バイト)=2,199,023,255,040バイト=2TiB-512バイトが、理論上MBRディスクで設定可能な1パーティションの最大容量となる。(2017.9.17 訂正)】
●
【MBRディスクで、2TB超のHDDに第2パーティションを作成しようとするならば、その開始位置はLBA 4,294,967,295を超えてパーティション・テーブルで指定することは不可能であるから、第1パーティションの最終セクタは、LBA 4,294,967,294以内になければならない。しかも先頭セクタのLBA 0はMBRであるから、その1セクタはパーティションに含めることはできないため、第1パーティションのサイズは4,294,967,294×512 =2TiB-1024バイト=2,199,023,254,528バイトを超えないようにしておく必要がある(実際には、通常、第1パーティションの開始位置はLBA 2048であることが多いため、この場合の最大サイズは2TiB-512バイト-1MiB=2,199,022,206,464バイトとなる)。これは、3ないし4つのパーティションを使用する場合であっても同じであり、最終パーティションを除く全パーティションの合計サイズを2TiB-1024バイト以内にして、最終パーティションの開始位置をLBA 4,294,967,295又はそれより前に定めることができれば、最終パーティションを作成することが可能となる。その場合、最終パーティションの最大サイズも2TiB-512バイトとすることができる。従って、1セクタ512バイトのMBRディスクおいては、単一パーティションの容量の限界は2TiB-512バイトであり、複数のパーティションを使えば、理論上4TiB-1024バイト-512バイト=4TiB-1536バイト=4,398,046,509,568バイトまでパーティションとして利用することが可能となると考えられる。(2017.9.17 訂正)】
この点に関して誤解した記述がWebに散見されるが、Wikipedia("Master boot record")にも、"Since partitioning information is stored in the MBR partition table using a beginning block address and a length, it may in theory be possible to define partitions in such a way that the allocated space for a disk with 512-byte sectors gives a total size approaching 4 TiB, if all but one partition are located below the 2 TiB limit and the last one is assigned as starting at or close to block 2^3-1 and specify the size as up to 2^32-1, thereby defining a partition which requires 33 rather than 32 bits for the sector address to be accessed."と同様の考え方が示されている。
● もっとも、パーティションの開始位置については、かつてHDDのアドレッシングに採用されていたCHS(Cylinder/Head/Sector)方式において、1トラック=63セクタとするデ・ファクト・スタンダードに基づき、パーティションの境界をトラックの境界に一致させていたことなどから、新たに登場したAdvanced Formatによって物理セクタが4,096バイトとされているHDDを古いOSで使用する場合に、少し厄介な問題が生じたりもした。
● GPTディスクのパーティションの最大容量については、1パーティション・エントリでパーティションの開始LBA、終端LBAを指定するために各8バイトが割り当てられいるので、理論的には、8バイト=64bit、1セクタ512バイトで計算すると、2^64 × 512バイト、即ち8ZiB〈ゼビバイト〉が定義できる上限となる(1ZiB=1,0241EiB〈エクスビバイト〉=1,048,576PiB〈ペビバイト〉=1,073,741,824TiB=1,099,511,627,776GiB)。Windowsでは、GPTディスクのパーティションの個数は、128個までとなっている。
しかし、この容量はあくまで理論上の値であって、例えば、Windows Server 2003 SP1、Windows XP x64 edition及びそれ以降のWindowsにおいては、RAW(未フォーマット)パーティションの最大サイズは、18EB〈エクサバイト〉であり、フォーマットされたパーティションでは256TBが最大サイズとなっている(各パーティションのファイルシステムが現行では、256TBに制限されているからである)("Windows and GPT FAQ")。
Linuxにおいては、例えば、"Red Hat Enterprise Linux technology capabilities and limits"によると、Version 7の場合、Ext4ならば、最大ファイルシステムサイズは、50TBがサポートされており(理論上は、1EBとされる)、XFSならば、最大ファイルシステムサイズは、500TBがサポートされている(理論上は、16EBとされる)。
● このいわゆる「2TBの壁」には、も一つCommand Descriptor Block(CDB)の問題がある(「Over2TB」参照)。
CDBとは、PCがストレージ等のディバイスと情報をやり取りする際に用いられるコマンドの仕組みを指す。これには幾つかの種類があり、10バイトCDBと12バイトCDBには、32bit LBAが使われ、16バイトCDBには、64bit LBAも使われる。少し古いディバイスは、10バイトCDB又は12バイトCDBにしか対応していないため、これが原因で2TBを超えるHDDを認識できないことがある。
なお、上記の固定長CDB(fixed length CDB)のほかに可変長CDB(variable length CDB:可変幅は12~260バイト)もあるようである("SCSI Command Reference Manual", Seagate, 2014)。
このCDBの制約により、OSが64bit版でGPTに対応しているにもかかわらず、2TB以上のHDDを認識しないという事態が生ずる。例えば、3TBのHDDは約746GBまで、8TBのHDDは約1.4TBまでしか認識しないということになる(一般にHDDの容量の表示は、SI接頭辞が使用されている)。その場合のCDBの正確な振る舞いは調べていないが、伝送されるセクタのアドレスが32bit LBAのフィールドを超えたところで0に回帰するのであろうか。ともかく、接続するUSBや拡張ボード等のドライバを最新のものに更新することによって解決できることも多い。
● しかし、パーティションを設定し直そうとしても、一旦認識された容量を変更できないことがある。その場合は、コマンドプロンプトでDISKPARTを用いて(管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「diskpart」と入力して実行)、
「list disk」で、対象となるディスクの番号を確認し、
「select disk #(#にディスク番号を入力)」で、ディスクを選択し、
「clean」で、パーティションの管理情報が削除され、ディスク全体が未割当て領域となり、改めてパーティションを設定し直すことができるようになる。
● また、Windows等においてGPTディスクを作成しても、先頭セクタにはMBRが自動的に設定されることに注意する必要がある。これは、保護MBR(Protective MBR)と呼ばれる特殊なMBRで、GPT非対応のOSからGPTディスクにアクセスしようとしても、それを2TiB以内の単一の「GPT保護パーティション」と表示させ、内部のデータにアクセスすることはおろか、パーティションを削除することもできないようにしている。保護MBRは文字通りGPTのパーティション構成と内容を保護するものとなっている。
● ところが、GPTディスクに設定されるMBRには、この保護MBRと異なるハイブリッドMBR(Hybrid MBR)もある。GPTを適用する場合、ハイブリッドMBRという通常の機能を持つMBRを作成し、有効なMBRをGPTと併存させることも可能なのである("Hybrid MBRs"参照)。MacなどではGPTディスクを作成するとハイブリッドMBRが設定されるらしい。2TBを超えるHDDにおいて通常のMBRとGPTが併存する場合、Windowsでは、MBRが優先的に認識されるため、「大容量のMBRディスクの、最初の2TBのみが利用可能です。2TBより大きなサイズのパーティションの作成、およびディスクのダイナミックスへの変換はできません。」といったメッセージボックスが表示されることになるようである。
● さらに、Windowsでは、GPTディスクをブートディスクにするためには、UEFIに対応した環境が必要であり、BIOS環境ではGPTディスクは通常のデータディスクとしてのみアクセス可能である。Linuxには、UEFI非対応の環境であってもGPTディスクから起動できるディストリビューションもあるらしい。
● なお、MBRしか扱えないPCで2TB超のHDDを使用するために、論理セクタを512バイトから2,048や4,096バイトに仮想する方法もあり、そのためのアプリケーションもあるようである。
(正確を期すために2進接頭辞を使用している箇所もあるが、必ずしも徹底されているわけではない。)
■3. PC等を工場出荷時(購入時)の状態に戻すことを指す場合がある。
既製のPCは、OSやアプリケーションがインストールされた状態で出荷されるので、その状態に戻すことは「リカバリ」又は「再セットアップ」などと呼ばれるのが通例である。
※ 【追記】:
《今まで、これに続けて、『ところが、一部のメーカー、ベンダーがこれを「初期化」と呼んでいるため、紛らわしいことになっている。』と書き、さらには『「リカバリ」・「再セットアップ」という意味で「PCの初期化」という表現を用いているメーカー、ベンダーには、無用な混乱を避けるよう、再考を促したいと思う。』ともしるしていた。
以前、あるPCのマニュアルに「PCの初期化」と表記されていたのを見たことがあり、違和感を感じたことを覚えていたからである。
しかし、Web上で「パソコンを初期化する」、「PCの初期化」といった表現があまりにも多用されていることが気になり、実際にPCのメーカーないしベンダーがPCを工場出荷時ないし購入時の状態に戻すことを何と表現しているのか、主なPCメーカーの公式サイトのサポートページやマニュアルを改めて調べてみた。
その結果は以下の通りである。
1. 東芝:「リカバリ(再セットアップ)」
2. NEC:「再セットアップ」
3. Panasonic:「再インストール」
4. 富士通:「リカバリ」
5. 日立:「再セットアップ」
6. SONY:「リカバリー(再セットアップ・初期化)」
7. EPSON:「リカバリー(再インストール)」
8. ONKYO:「リカバリー」
9. 三菱:「再セットアップ」
10. SHARP:「再インストール」
11. マウスコンピューター:「リカバリ」
12. HP:「リカバリ」、「Recovery」(英語)
13. DELL:「イメージリカバリ」、「PCリストア」、「Factory Image Restore」(英語)
14. Gateway:「リカバリ」、「Recovery」(英語)
15. ASUS:「リカバリー」、「再インストール」、「Recovery」(英語)
16. Acer:「リカバリ」、「Recovery」(英語)
17. Lenovo:「リカバリー」、「Recovery」(英語)
18. Apple:「再インストール」、「Reinstall」(英語)
PC製造の歴史の浅いSONYのみが「リカバリー」の言い換えとして括弧書きで「初期化」と表記している以外は、御覧のように「リカバリ」、「再セットアップ」、「再インストール」のいずれかの表現しか用いられていない。Appleも、Macを工場出荷時の状態にすることは「macOSを再インストール」と表現しており、「初期化」などといった表記は使っていない。かつて「PCの初期化」とマニュアルに記載されていたのを私が見たPCはどのメーカーであったのか、失念してしまい、見つけ出すことはできなかった。
なお、ドスパラのサイトでは、「リカバリー(初期化)」という表記が多く見られ、私がかつて見たマニュアルではないものの、その販売PCのマニュアルには「Windowsの初期化方法」という項目がある(http://support.dospara.co.jp/download/faq/207371/n_manual.pdf等)。「PCの初期化」という表現を用いるPCベンダーが存在することは間違いないが、極めてわずかであるといえる。
ともかくも、国内外の主要PCメーカー・ベンダー上記17社の公式サイトで「PCの初期化」という表現が用いられていない以上、この項の続きを次の通り書き改めることにした。(2016.8.14)》
《今まで、これに続けて、『ところが、一部のメーカー、ベンダーがこれを「初期化」と呼んでいるため、紛らわしいことになっている。』と書き、さらには『「リカバリ」・「再セットアップ」という意味で「PCの初期化」という表現を用いているメーカー、ベンダーには、無用な混乱を避けるよう、再考を促したいと思う。』ともしるしていた。
以前、あるPCのマニュアルに「PCの初期化」と表記されていたのを見たことがあり、違和感を感じたことを覚えていたからである。
しかし、Web上で「パソコンを初期化する」、「PCの初期化」といった表現があまりにも多用されていることが気になり、実際にPCのメーカーないしベンダーがPCを工場出荷時ないし購入時の状態に戻すことを何と表現しているのか、主なPCメーカーの公式サイトのサポートページやマニュアルを改めて調べてみた。
その結果は以下の通りである。
1. 東芝:「リカバリ(再セットアップ)」
2. NEC:「再セットアップ」
3. Panasonic:「再インストール」
4. 富士通:「リカバリ」
5. 日立:「再セットアップ」
6. SONY:「リカバリー(再セットアップ・初期化)」
7. EPSON:「リカバリー(再インストール)」
8. ONKYO:「リカバリー」
9. 三菱:「再セットアップ」
10. SHARP:「再インストール」
11. マウスコンピューター:「リカバリ」
12. HP:「リカバリ」、「Recovery」(英語)
13. DELL:「イメージリカバリ」、「PCリストア」、「Factory Image Restore」(英語)
14. Gateway:「リカバリ」、「Recovery」(英語)
15. ASUS:「リカバリー」、「再インストール」、「Recovery」(英語)
16. Acer:「リカバリ」、「Recovery」(英語)
17. Lenovo:「リカバリー」、「Recovery」(英語)
18. Apple:「再インストール」、「Reinstall」(英語)
PC製造の歴史の浅いSONYのみが「リカバリー」の言い換えとして括弧書きで「初期化」と表記している以外は、御覧のように「リカバリ」、「再セットアップ」、「再インストール」のいずれかの表現しか用いられていない。Appleも、Macを工場出荷時の状態にすることは「macOSを再インストール」と表現しており、「初期化」などといった表記は使っていない。かつて「PCの初期化」とマニュアルに記載されていたのを私が見たPCはどのメーカーであったのか、失念してしまい、見つけ出すことはできなかった。
なお、ドスパラのサイトでは、「リカバリー(初期化)」という表記が多く見られ、私がかつて見たマニュアルではないものの、その販売PCのマニュアルには「Windowsの初期化方法」という項目がある(http://support.dospara.co.jp/download/faq/207371/n_manual.pdf等)。「PCの初期化」という表現を用いるPCベンダーが存在することは間違いないが、極めてわずかであるといえる。
ともかくも、国内外の主要PCメーカー・ベンダー上記17社の公式サイトで「PCの初期化」という表現が用いられていない以上、この項の続きを次の通り書き改めることにした。(2016.8.14)》
◆(1) ところが、PCを工場出荷時ないし購入時の状態に戻すことをWeb上で「PCの初期化」と呼ぶ者が少なくないため、紛らわしいことになっている。
ほとんどのPCメーカーないしベンダーが、その公式サイト又はマニュアルにおいて、「PCを工場出荷時(購入時)の状態に戻すこと」を「リカバリ」又は「再セットアップ」又は「再インストール」と呼んでいるにもかかわらず、敢えてこれを「PCの初期化」などと表記するならば、この「PCの初期化」が、PCのOSがインストールされているHDD等の初期化を指しているのか、PCをOSやアプリケーションがインストールされた工場出荷時ないし購入時の状態に戻すことを指しているのか、我々はこの言葉に出会うたびに、確認する作業を強いられることになる。
殊に、PCに不慣れな人は、Web上に散見される「PCの初期化」がPCをどの状態に戻すことを指しているのか明確に理解することができず、それを「HDD/SSDの初期化」と混同してしまうことさえある。実際、質問掲示板において、「PCの初期化」という呼称が一般的だと思い込み、その呼称を使いつつも、その意味するところがよく分からず、戸惑っている投稿を幾つも目にすることができる。
やはり、PCにおいて利用者が行う「初期化」は、ストレージに対する初期化という意味に限定し、PCを工場出荷時ないし購入時状態に戻すことは、ほとんどのPCメーカーによって用いられている「リカバリ」又は「再セットアップ」といったHDD/SSDの初期化と混同するおそれのない言葉で表現すべきであろう。
◆(2) また、海外のPCメーカーも、英語でPCをFactory Settingsに戻すと表現する場合、recover(y)やrestoreという語を使っており、initializeやinitializationという語は使っていないのである。
さらに、Windows8、8.1、10には、「(この)PCを初期状態に戻す」という機能が備わっている。英語版でこれは、「Reset your(this) PC」と表記されており、「Initialize your(this) PC」とは表記されていない。これに対し、前述の「ディスクの管理(Disk Management)」における「ディスクの初期化」は、英語版では「Initialize Disk」と表記され、それを行っていないディスクは「Not Initialized(初期化されていません)」と表示されるのである。だからこそ、「Reset this PC」は、日本語版でも「このPCを初期化する」とは訳さず、「このPCを初期状態に戻す」と翻訳しているのである。Web上において安易に「PCの初期化」という表現を用いる人は、このMicrosoftの表記選択にも思いを致すべきである。
因みに、Windows10で「このPCを初期状態に戻す」の「全てを削除してWindowsを再インストールする」を実行したとしても、通常の「再セットアップ」と異なり、購入時の状態になるのではなく、更新プログラムが適用された状態となるとのこと(「Windows 10でハードディスク内のデータから再セットアップを行う方法」)。
◆(3) しかも、「PCの初期化」は、PCの動きが鈍くなった場合の回復手段とされることすらある。
確かに、PCをリカバリすれば一時的にはある程度PCの動きは軽快になるが、PCが重くならないような処置を採らなければ直ぐに元の状態に戻るであろうし、必要なアプリケーションを再インストールし、バックアップしたデータを戻し、遺漏なく種々の設定をし直すという気の滅入るような手間を考えると、到底お勧めできる手段ではない。
いずれのPCのマニュアルも、リカバリ(再セットアップ)をPCが容易には回復しえない不具合に見舞われた場合(ウィルスに感染した場合等)の最終手段としているのは、事の性質からして当然といえば当然である。
寧ろ、PCが重くなる原因を取り除き(定期的な不要ファイルの削除とデフラグ、Prefetchフォルダ内の定期的な整理、不要時のWeb切断、常駐ソフトの見直し、システム保護の無効化等々)、ハードウェアを交換・増設する(HDDのSSDへの交換、CPUやグラフィックスカードの交換、メモリの増設等々)方が、PCの動きを軽くするためには有効であろう。
◆(4) なお、自作PCにおいては、好みのパーツを購入し、譲り受け、流用してマシンを組み上げ、そこへお気に入りのOSをシングルないしマルチブートという形でインストールし、様々なアプリケーションをインストールしていくのであるから、自作する者の間では「PCの初期化」といった漠然とした不明確な言葉が用いられることはない。
■4. 光学ディスク、フロッピーディスク等のフォーマットを指す場合がある。
記憶媒体(記録媒体、storage media、recording media、memory media)は、広義には、磁気的なHDDやフロッピーディスク、電子的なSSDやUSBメモリ、光学的なDVD-RやBD-R等を含む、情報を記録する媒体の総称として用いられる。しかし、それは、狭義には、情報を記録する装置(ドライブ)とそれによって情報が記録され、その情報を保持する物体が分離可能である場合に、情報が保存されている物体を指すこともある。その場合、特に「記憶メディア・記録メディア」と片仮名で表記することが多いようである。
この狭義の記録メディアであるCD-RやDVD-Rなどの光学ディスクやフロッピーディスクにおいては、フォーマットと初期化はほぼ同義に使用されている。
フォーマットと初期化を明確に区別すべき前述したHDD、SSD、USBメモリなどの記憶媒体とどこが異なるのか。両者を分ける大きな相違点は、パーティションの有無である。HDD等には、パーティションという区画が用いられるのに対して、光学ディスク等には用いられない。HDD等においては、繰り返しになるが、パーティションが作成されていない状態、いわゆる未割当て領域という状態が存在し、その状態にすることが初期化である。パーティションが作成され、その領域内に特定の記録方式が適用されること、即ちフォーマット(より正確には、論理フォーマット)されることによって、記録することが可能となる。これに対し、光学ディスク等では、パーティションという区画は使用されず、各ディスクは単一の領域として認識され、ディスクの種類ごとに採用されている記録方式に基づく処理、即ちフォーマットがディスクに施されることにって使用可能となる。
光学ディスク等の場合、それを使用可能な状態にする作業は、フォーマットのみであるため、これを初期化と呼ぶこともあり、そう呼んだとしても誤解するおそれはないのである。
■5 文脈によっては、単にデータの消去を表す場合がある。.
四、改めて初期化とは
こうして見てくると、コンピュータにおける「初期化(initialization)」とは、単なる初期状態にすることではない。さらに言えば、リセット(reset、初期状態に戻すこと)やリカバリ(recovery)・再セットアップという操作に見られる「元に戻す」という概念すら、「初期化」には含まれていないと考えられる。購入したばかりの未使用のHDDを「初期化」する場合を考えてみれば分かろう。
改めて、コンピュータにおける「初期化」とは、「ソフトウェア又はコンピュータを構成する若しくはそれに付属する独立性を有する装置を、その利用を開始することが可能となるよう、共通に定められている状態にすること」と定義することができるのではなかろうか。そうだとすれば、各メーカーやベンダーあるいは自作する者がそれぞれに種々のディバイスを組み合わせ、様々なOSやアプリケーションをインストールして構成するPCにおいては、そもそも使用開始可能な共通の状態など措定しえようはずがない。そうである以上、「PCの初期化」が何を意味するのか理解不能とならざるをえない。にもかかわらず、「PCの初期化」という曖昧で不明確な言葉を使い続ける限り、混乱と誤解は避けようがないであろう。
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Re: No title
申し訳ありません。iPadについての知識はまったくありません。カミさんのiPadを私も使わせてもらっていたというだけです。それ以来、iPadはないままです。私の不注意で盗まれてしまったので、むちゃくちゃ怒られましたが…。
単に、通常のPCであれば予測されるであろうリスクは、可能な限り回避しておくべきである、ということです。
単に、通常のPCであれば予測されるであろうリスクは、可能な限り回避しておくべきである、ということです。
No title
ありがとうございます。よく理解できました。
ところでiPadの盗難の件ですが、
私も愛用しているので不安になりました。
しかしパスコードロックかけていても、盗んだ人間がコンピュータに詳しければ中身もわかってしまったりするのでしょうか?
また、盗んだ時にパスワードまでは記載なくても過去に入力したパスワードは万一記録されているかもしれないので変更したという感じでしょうか?
参考までに教えてください。
ところでiPadの盗難の件ですが、
私も愛用しているので不安になりました。
しかしパスコードロックかけていても、盗んだ人間がコンピュータに詳しければ中身もわかってしまったりするのでしょうか?
また、盗んだ時にパスワードまでは記載なくても過去に入力したパスワードは万一記録されているかもしれないので変更したという感じでしょうか?
参考までに教えてください。
Re: No title
個人の場合、そのPCをどのように使っていたか、どういったものを保存していたかによるでしょうね。
他人にとってほとんど意味のない文書や写真などを作成・保存していただけであれば、何も心配はいらないでしょう。しかし、他人に見られては困るような文書や写真などを保存していたことがあるPCであれば、万が一のことを考えて、一旦HDD/SSD内のすべての情報を完全に消去してから、OSをリカバリしてPCを購入時の状態にして譲渡する方が、安心して眠れますよね。
また、住所録やメールアドレスなどをPCで管理している人は少なくないでしょうが、ある特定の人達にとってはそれらの利用価値は小さくありません。
さらに、ショッピングサイトを始め様々なWebサービを利用するために登録が必要とされる場合が多くありますが、そこにログイン、サインインするためのIDやパスワードはPCに記録されているのが一般ではないでしょうか。それが悪用される恐ろしさは容易に想像がつくでしょう。クレジットカード番号を知ることは容易ではありませんが、本人になりすましてそのサービスを利用することはできます。勝手にパスワードが変更され、本人が利用できなくなってしまうという事例もあります。
私は、ipadを盗まれたことがあり、直ちにそのipadでそれまでに利用したことがあるサイトのパスワードをすべて変更しなければならなかったという苦い経験があります。
やはり、他人に渡ったPCが悪用されないという保証はどこにもない以上、PCを譲渡する際は、HDD/SSDのデータ完全消去後のOSリカバリを原則とすべきではないでしょうか。
他人にとってほとんど意味のない文書や写真などを作成・保存していただけであれば、何も心配はいらないでしょう。しかし、他人に見られては困るような文書や写真などを保存していたことがあるPCであれば、万が一のことを考えて、一旦HDD/SSD内のすべての情報を完全に消去してから、OSをリカバリしてPCを購入時の状態にして譲渡する方が、安心して眠れますよね。
また、住所録やメールアドレスなどをPCで管理している人は少なくないでしょうが、ある特定の人達にとってはそれらの利用価値は小さくありません。
さらに、ショッピングサイトを始め様々なWebサービを利用するために登録が必要とされる場合が多くありますが、そこにログイン、サインインするためのIDやパスワードはPCに記録されているのが一般ではないでしょうか。それが悪用される恐ろしさは容易に想像がつくでしょう。クレジットカード番号を知ることは容易ではありませんが、本人になりすましてそのサービスを利用することはできます。勝手にパスワードが変更され、本人が利用できなくなってしまうという事例もあります。
私は、ipadを盗まれたことがあり、直ちにそのipadでそれまでに利用したことがあるサイトのパスワードをすべて変更しなければならなかったという苦い経験があります。
やはり、他人に渡ったPCが悪用されないという保証はどこにもない以上、PCを譲渡する際は、HDD/SSDのデータ完全消去後のOSリカバリを原則とすべきではないでしょうか。
No title
回答ありがとうございます。
いえ、分かりやすくて納得しました。
最後に、
例えばリカバリーせずに、おもてに見えるものだけ削除して見た目キレイにしても詳しい人が見れば内部までわかってしまう件ですが。。。
例えばこれでメルカリなどで全く知らない人に譲った場合、
そしてそれがpcに詳しい人だった場合、
そこから個人情報抜き出したとしてどうするんでしょうね?
見れても連絡先や過去の写真、保存した音楽など。。でしょうか。
まさか銀行口座やクレジットカードの番号なんて残っていないですよね?
ふと疑問に思ったのでわかったら教えてください。
いえ、分かりやすくて納得しました。
最後に、
例えばリカバリーせずに、おもてに見えるものだけ削除して見た目キレイにしても詳しい人が見れば内部までわかってしまう件ですが。。。
例えばこれでメルカリなどで全く知らない人に譲った場合、
そしてそれがpcに詳しい人だった場合、
そこから個人情報抜き出したとしてどうするんでしょうね?
見れても連絡先や過去の写真、保存した音楽など。。でしょうか。
まさか銀行口座やクレジットカードの番号なんて残っていないですよね?
ふと疑問に思ったのでわかったら教えてください。
Re: No title
XPで使われているIE 8では、さすがに最近のWebページをすべて閲覧することはできないでしょう。
普段はIEを使わないので、試しにIE 8でmsnのサイトを開いて検索してみましたが、「このページは表示できません」となりますね。サイトによっては最新の暗号化通信やWebページの形式等にIE 8が対応していないので、仕方がないでしょうね。
しかし、他のブラウザを使えば(例えば、Firefoxなど)、GoogleやYahooの検索は使用できます。もちろん、XPの機能としての限界がありますので、Webサイトのすべての機能を利用できるわけではありません。
ただ、インターネットには詳しくないので、この点については他のブログをあたってみてください。
普段はIEを使わないので、試しにIE 8でmsnのサイトを開いて検索してみましたが、「このページは表示できません」となりますね。サイトによっては最新の暗号化通信やWebページの形式等にIE 8が対応していないので、仕方がないでしょうね。
しかし、他のブラウザを使えば(例えば、Firefoxなど)、GoogleやYahooの検索は使用できます。もちろん、XPの機能としての限界がありますので、Webサイトのすべての機能を利用できるわけではありません。
ただ、インターネットには詳しくないので、この点については他のブログをあたってみてください。
No title
ありがとうございます。
よく分かりました。
ちなみにIE開いたらmsnトップページとなり、Yahooと入れるとこのページは表示できません、となったのは何故ですか?
何度もすみません。
よく分かりました。
ちなみにIE開いたらmsnトップページとなり、Yahooと入れるとこのページは表示できません、となったのは何故ですか?
何度もすみません。
Re: No title
サポート終了とウイルス感染の関係についてですが、サポートが終了したからといって直ちにウイルスに感染するわけではありません。サポートが継続していれば、ウイルスに感染しないわけでも、当然ありません。
何千台、何万台というPCを抱える企業にあっては、ウイルス感染等の危険が入り込む間隙は無数にあり、万が一の場合の損失は膨大なものとなるため、可能な限りのリスクの低減が常に要求されます。それゆえ、PCないしソフトウェア・ベンダーからのサポートが必須となるのは当たり前であって、サポートが切れたPCやソフトウェアを利用することは避けられます。
でも、個人の場合そこまで厳格にする必要はないでしょう。サポートの有無にかかわらず、ウイルス等に感染しないために注意すべきことがいくつかあります。それらの点に気を付けていれば、それほど恐れる必要はありません。Webを検索すれば、注意点は直ぐに見つかります。
私も、必要があって今でもXP機は何台か使っています。もちろん感染などしていませんよ。
何千台、何万台というPCを抱える企業にあっては、ウイルス感染等の危険が入り込む間隙は無数にあり、万が一の場合の損失は膨大なものとなるため、可能な限りのリスクの低減が常に要求されます。それゆえ、PCないしソフトウェア・ベンダーからのサポートが必須となるのは当たり前であって、サポートが切れたPCやソフトウェアを利用することは避けられます。
でも、個人の場合そこまで厳格にする必要はないでしょう。サポートの有無にかかわらず、ウイルス等に感染しないために注意すべきことがいくつかあります。それらの点に気を付けていれば、それほど恐れる必要はありません。Webを検索すれば、注意点は直ぐに見つかります。
私も、必要があって今でもXP機は何台か使っています。もちろん感染などしていませんよ。
No title
ありがとうございます。
再インストールしてもまた新規ユーザーアカウント作成の画面がちゃんと出るんですね。
安心しました。
ところでXPの更新プログラムとのことですが、、、
今から聞くのもへんですがまだ普通にネットできるってことですか?
私の使用してもらうイメージは、サポート終了しているのでネットは危険で、ワード、エクセル、メモ帳、ゲームなどのアクセサリ使用。
またDVDを見たりは出来たので、DVD鑑賞やファイルへのコピーなど。
年配者の脳トレ程度できたらいいかな、、と。
もちろんネットで検索や調べものできたら言うことなしですが・・・。
このあたり教えてください。
実はさきほど試してみたのですが、
家のWi-Fiには接続できましたがIE開くとmsnのトップページになって、ニュースやエンタメはクリックして見れました。
でもYahooと検索に入れるとこのページは表示できません、と出ます。
ワード、エクセルは出来ました。
再インストールしてもまた新規ユーザーアカウント作成の画面がちゃんと出るんですね。
安心しました。
ところでXPの更新プログラムとのことですが、、、
今から聞くのもへんですがまだ普通にネットできるってことですか?
私の使用してもらうイメージは、サポート終了しているのでネットは危険で、ワード、エクセル、メモ帳、ゲームなどのアクセサリ使用。
またDVDを見たりは出来たので、DVD鑑賞やファイルへのコピーなど。
年配者の脳トレ程度できたらいいかな、、と。
もちろんネットで検索や調べものできたら言うことなしですが・・・。
このあたり教えてください。
実はさきほど試してみたのですが、
家のWi-Fiには接続できましたがIE開くとmsnのトップページになって、ニュースやエンタメはクリックして見れました。
でもYahooと検索に入れるとこのページは表示できません、と出ます。
ワード、エクセルは出来ました。
Re: No title
XPを再インストールすれば、以前のアカウントなどの設定情報はすべて失われ、購入時の状態に戻ります。
インストール時に「このコンピュータを使うユーザーを指定してください」という画面が現れますので、英数字でユーザー名を指定すれば、新たにアカウントが作成されます。
取扱説明書の該当個所をよく読んで、再インストールを行ってください。
なお、XPの再インストール後、こちらのサイトからXP Service Pack 3の更新プログラムをダウンロードして、XPを更新しておいてあげるとよいでしょう。これにはXPに対するすべての更新プログラムが含まれています。
https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB936929
インストール時に「このコンピュータを使うユーザーを指定してください」という画面が現れますので、英数字でユーザー名を指定すれば、新たにアカウントが作成されます。
取扱説明書の該当個所をよく読んで、再インストールを行ってください。
なお、XPの再インストール後、こちらのサイトからXP Service Pack 3の更新プログラムをダウンロードして、XPを更新しておいてあげるとよいでしょう。これにはXPに対するすべての更新プログラムが含まれています。
https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB936929
No title
なるほど、ありがとうございます。
譲るかたは、年配者なので私が付属の再インストールCDで上書きしようと思います。
Windowsにログインするアカウントですが、これはどうすればいいでしょうか?
適当なニックネームに変えて、パスワードを作成〜相手に教えればいいですか?
ユーザーアカウントは削除したらWindowsにログインできないですもんね?
譲るかたは、年配者なので私が付属の再インストールCDで上書きしようと思います。
Windowsにログインするアカウントですが、これはどうすればいいでしょうか?
適当なニックネームに変えて、パスワードを作成〜相手に教えればいいですか?
ユーザーアカウントは削除したらWindowsにログインできないですもんね?
Re: No title
美香さん
コメントありがとうございます。
身内の方にPCを譲るのであれば、XPの再インストールで充分だと思います。
取扱説明書にその手順が載っているでしょうから、それに従えば簡単です。
正確には、写真や文書などをOS上で「削除」してもデータそのものは、HDD内に残っていて「まっさら」にはなっていないのです(詳しくは、http://blog.phooen.com/blog-entry-76.html、http://blog.phooen.com/blog-entry-77.htmlをご一読ください)。また、OSやアプリケーションについても、これまでに使用・操作してきた様々な記録が、すべてではありませんが、種々の形でHDD内に残されています。
しかし、OSを再インストールすれば、OSは上書きされるので、以前のOSやその上で動作していたアプリケーションの記録は失われます。もちろん、上書きされなかった写真や文書などのデータの一部は、HDDに残ったままですが、通常新たにデータを作成・保存していくにつれて上書きされ、消失していきます。
身内の方がそのPCを使うのであれば、HDD内に残存しているデータを復元して悪用しようなどとはしないでしょうから、それで充分ではないでしょうか。XPの再インストール用ディスクも付属しているので、その方が改めて再インストールすることもあるでしょうし…。
コメントありがとうございます。
身内の方にPCを譲るのであれば、XPの再インストールで充分だと思います。
取扱説明書にその手順が載っているでしょうから、それに従えば簡単です。
正確には、写真や文書などをOS上で「削除」してもデータそのものは、HDD内に残っていて「まっさら」にはなっていないのです(詳しくは、http://blog.phooen.com/blog-entry-76.html、http://blog.phooen.com/blog-entry-77.htmlをご一読ください)。また、OSやアプリケーションについても、これまでに使用・操作してきた様々な記録が、すべてではありませんが、種々の形でHDD内に残されています。
しかし、OSを再インストールすれば、OSは上書きされるので、以前のOSやその上で動作していたアプリケーションの記録は失われます。もちろん、上書きされなかった写真や文書などのデータの一部は、HDDに残ったままですが、通常新たにデータを作成・保存していくにつれて上書きされ、消失していきます。
身内の方がそのPCを使うのであれば、HDD内に残存しているデータを復元して悪用しようなどとはしないでしょうから、それで充分ではないでしょうか。XPの再インストール用ディスクも付属しているので、その方が改めて再インストールすることもあるでしょうし…。
No title
回答ありがとうございます。
状況が変わり、
WindowsXPを身内に譲ることになりました。
とりあえずWordやエクセルなどはアンインストール。
写真や連絡先は手動で削除。
すべてまっさらになりました。
Windowsアカウントだけ残っています。
この状態で他に消せるもの、できること教えてください。
DELL、2005年版。デスクトップ。
WindowsXP。
ちなみに取り説、付属品など全て揃っていて、その中に再インストールCDが入っていました。
これを入れれば上書きされて1番良いでしょうか?
状況が変わり、
WindowsXPを身内に譲ることになりました。
とりあえずWordやエクセルなどはアンインストール。
写真や連絡先は手動で削除。
すべてまっさらになりました。
Windowsアカウントだけ残っています。
この状態で他に消せるもの、できること教えてください。
DELL、2005年版。デスクトップ。
WindowsXP。
ちなみに取り説、付属品など全て揃っていて、その中に再インストールCDが入っていました。
これを入れれば上書きされて1番良いでしょうか?
Re: WindowsXPの初期化について
美香さん
コメントありがとうございます。
返信が遅くなってすみません。
廃棄処分ということであれば、初期化ではなく、データの消去・抹消ですね。
1. 最も安全、確実な方法は、HDDを取り外して廃棄することです。HDDは、手元に残しておくと、容量が少なくても、何かと役に立つものです。
2. データ消去で最も確実な方法は、Secure Eraseを実行することです。その手順については、
http://blog.phooen.com/blog-entry-24.htmlや、
http://blog.phooen.com/blog-entry-14.htmlで詳しく説明していますので参考にしてください。
Secure Eraseを実行すれば、HDD内のすべての情報は完全に抹消されます。
3. Windows Vista以降のOSのインストールDVDがあれば、そのDVDで起動してDiskPartのclean allコマンドを実行するという方法もあります。インストールするわけではないので、他のPCに使用しているものでも構いません。
Vistaの場合、DVDで起動し、最初の画面で「コンピュータを修復する」を選び、「次へ」ボタンをクリックしてから「コマンド プロンプト」を起動する。
Windows 7以降の場合、起動画面で、Shift+F10キーを押すと、コマンドプロプトが起動する。
> diskpart
と入力して、Enterを押す。
DISKPART> list disk
で、ディスクの一覧を表示して、対象となるディスクの番号を確認する。一台しかHDDが接続されていなければ、Disk 0でしょう。
DISKPART> select disk 0
DISKPART> clean all
を実行。
HDDの容量や書き込み速度によっては、かなり時間がかかりますが(Secure Eraseも同じですが、数時間から一昼夜かかる場合もあります)、作業が終われば、
「DiskPart はディスクを正常にクリーンな状態にしました。」
と表示されます。
DISKPART> exit
で終了。
インストールを中止して、DVDを取り出す。
4. DBANなどのデータ消去ソフトを使用する。
これらのうち行いやすい方法をどうぞ。不明な点があれば、また質問してください。
コメントありがとうございます。
返信が遅くなってすみません。
廃棄処分ということであれば、初期化ではなく、データの消去・抹消ですね。
1. 最も安全、確実な方法は、HDDを取り外して廃棄することです。HDDは、手元に残しておくと、容量が少なくても、何かと役に立つものです。
2. データ消去で最も確実な方法は、Secure Eraseを実行することです。その手順については、
http://blog.phooen.com/blog-entry-24.htmlや、
http://blog.phooen.com/blog-entry-14.htmlで詳しく説明していますので参考にしてください。
Secure Eraseを実行すれば、HDD内のすべての情報は完全に抹消されます。
3. Windows Vista以降のOSのインストールDVDがあれば、そのDVDで起動してDiskPartのclean allコマンドを実行するという方法もあります。インストールするわけではないので、他のPCに使用しているものでも構いません。
Vistaの場合、DVDで起動し、最初の画面で「コンピュータを修復する」を選び、「次へ」ボタンをクリックしてから「コマンド プロンプト」を起動する。
Windows 7以降の場合、起動画面で、Shift+F10キーを押すと、コマンドプロプトが起動する。
> diskpart
と入力して、Enterを押す。
DISKPART> list disk
で、ディスクの一覧を表示して、対象となるディスクの番号を確認する。一台しかHDDが接続されていなければ、Disk 0でしょう。
DISKPART> select disk 0
DISKPART> clean all
を実行。
HDDの容量や書き込み速度によっては、かなり時間がかかりますが(Secure Eraseも同じですが、数時間から一昼夜かかる場合もあります)、作業が終われば、
「DiskPart はディスクを正常にクリーンな状態にしました。」
と表示されます。
DISKPART> exit
で終了。
インストールを中止して、DVDを取り出す。
4. DBANなどのデータ消去ソフトを使用する。
これらのうち行いやすい方法をどうぞ。不明な点があれば、また質問してください。
WindowsXPの初期化について
こんにちは。
ホームページから来ました。
DELLのWindowsXPを処分するのですが捨てる前にやるべき初期化?の手順を簡単に教えていただけますか?
ハードディスクの
写真やファイルはあらかじめ削除しました。
よろしくお願い致します。
ホームページから来ました。
DELLのWindowsXPを処分するのですが捨てる前にやるべき初期化?の手順を簡単に教えていただけますか?
ハードディスクの
写真やファイルはあらかじめ削除しました。
よろしくお願い致します。
Re: 結果報告
tarosa10さん
残念な結果になりました。
ノートPCには詳しくないのですが、AH77/Jは高級品のようですね。手頃な出物があるとよいのですが。
またのコメントをお待ちしております。
残念な結果になりました。
ノートPCには詳しくないのですが、AH77/Jは高級品のようですね。手頃な出物があるとよいのですが。
またのコメントをお待ちしております。
結果報告
ふうえんさん
質問掲示板が「締切り済み」になっておりました件、確認不足でした。
大変失礼致しました。
ご教授頂きました2~3日放置の件につきまして結果をご報告させて頂きます。
【結果】
変化ありませんでした。
【作業内容】
1.ACアダプタ、バッテリ、ボタン電池を外す。
2.電源ボタンを数回押下、及び長押しにて放電。
3.1/26~1/28間、そのまま放置。
上記1~3を実施致しましたが、変化ありませんでした。
【考察】
MB交換が必要なようですね。
依頼人(同僚なのですが)からは、費用を掛けたくないとの意向でしたが、状況を説明し、購入可否を判断してもうらおうと思います。
購入が決定した場合、ダメ元でMBのリフローを実施してみようと思います。
このノートPC(AH77/J)は基板が底面を向いて部品が実装されており、放熱も含め少々気になる作りになっておりましたので、リフローを試してみようと思います。
直ぐには実施出来ないと思いますが、後日結果をご報告させて頂きたいと思います。
相談にのって頂ける方がいらっしゃることは大変心強い思いです。
ご協力頂き感謝致します。
ありがとうございました。
質問掲示板が「締切り済み」になっておりました件、確認不足でした。
大変失礼致しました。
ご教授頂きました2~3日放置の件につきまして結果をご報告させて頂きます。
【結果】
変化ありませんでした。
【作業内容】
1.ACアダプタ、バッテリ、ボタン電池を外す。
2.電源ボタンを数回押下、及び長押しにて放電。
3.1/26~1/28間、そのまま放置。
上記1~3を実施致しましたが、変化ありませんでした。
【考察】
MB交換が必要なようですね。
依頼人(同僚なのですが)からは、費用を掛けたくないとの意向でしたが、状況を説明し、購入可否を判断してもうらおうと思います。
購入が決定した場合、ダメ元でMBのリフローを実施してみようと思います。
このノートPC(AH77/J)は基板が底面を向いて部品が実装されており、放熱も含め少々気になる作りになっておりましたので、リフローを試してみようと思います。
直ぐには実施出来ないと思いますが、後日結果をご報告させて頂きたいと思います。
相談にのって頂ける方がいらっしゃることは大変心強い思いです。
ご協力頂き感謝致します。
ありがとうございました。
Re: ご報告
tarosa10さん
ご報告、恐れ入ります。
ボタン電池の接触不良はなく、マニュアルに記載されている方法でもBIOS/UEFI設定画面が表示されないとなると、NVRAM(CMOS)に何らかの不具合が生じ、BIOS/UEFIが読み込まれていない状態と考えられます。この時期ですので、CMOSクリア時に静電気によってNVRAMが損傷したとの推測も成り立ちます。
念のため、ボタン電池を外して2~3日放置し、完全に放電させてみてはどうでしょう。
それでも駄目ならば、同一機種の基板を移植するしかないでしょうね。
なお、示された質問掲示板は、「締切り済み」となっており、書き込みできませんでした。
追伸
「ページ汚しの質問」などとは、とんでもありません。Webにあっては、匿名性をいいことに、無礼で汚い表現を使うことがPCに精通していることの証しだと思い違いをした振舞が目に余る中で、このような丁寧な質問と返信に心安らぐ思いです。
ご報告、恐れ入ります。
ボタン電池の接触不良はなく、マニュアルに記載されている方法でもBIOS/UEFI設定画面が表示されないとなると、NVRAM(CMOS)に何らかの不具合が生じ、BIOS/UEFIが読み込まれていない状態と考えられます。この時期ですので、CMOSクリア時に静電気によってNVRAMが損傷したとの推測も成り立ちます。
念のため、ボタン電池を外して2~3日放置し、完全に放電させてみてはどうでしょう。
それでも駄目ならば、同一機種の基板を移植するしかないでしょうね。
なお、示された質問掲示板は、「締切り済み」となっており、書き込みできませんでした。
追伸
「ページ汚しの質問」などとは、とんでもありません。Webにあっては、匿名性をいいことに、無礼で汚い表現を使うことがPCに精通していることの証しだと思い違いをした振舞が目に余る中で、このような丁寧な質問と返信に心安らぐ思いです。
ご報告
ご教授頂きありがとうございます。
ボタン電池の接触不良がないかを確認致しましたのでご報告させて頂きます。
【結果】
ボタン電池フォルダの半田面にて両端間で2.5Vでておりましたので、接触不良では無いようです。
一旦、ボタン電池を外し(再度CMOSクリア)を行いました。
RTCエラー表示後(ビープ音1回)、BIOSを開くにはF2キーと表示されるので、F2キーを押下すると、やはり下記の画面になってしまいます。
--------------------------------------------
Phoenix SecureCore Tiano(TM)
Copyright 1985-2011 Phoenix Technologies Ltd.
All Rights Reserved
Copyright FUJITSU LIMITED 2011-2012
ハードディスク:TOSHIBA MQ01ABD100
ATAPI CD-ROM:PIONEER BD-RW BDR-UD02
任意のキーを押して終了。
----------------------------------------------
RTCエラー表示やビープ音を鳴らすこと自体、BIOSが動いている証拠だと理解はしているのですが・・・・
HDD/SSDの接続の有無、OSの有無とは無関係に・・・は、ご教授頂いた通りだと思います。
BIOS(レガシーBIOS)世代のMBでHDDなしでCMOSクリアを数十回となくやってきましたので、私も同意なのですが。
因みに、F2を押しながら、電源ボタン押下も上記画面になってしまいます。(ロゴ表示まで行きません)
一番最初にCMOSクリアを実施する前は、(HDDが故障していましたが)BIOS/UEFIの設定画面に入れたので、現在のこの症状はCMOSクリアが原因だとは思うのですが・・・
上記画面には何故かメモリの情報が上がってきていないことも気がかりの一つですが。
念の為、新品と交換したのですが、画面には表示されて来ませんでした。
CMOSクリアだけでMBが壊れるとは思えませんし、どうにも解せない状況です。
もう少し格闘してみます。
何かお気づきの点、アドバイス等ございましたら、
http://okbizcs.okwave.jp/fmv/questiondetail/?qid=9270758
に書き込んで頂けますと助かります。
ページ汚しの質問をしてしまい申し訳ございませんでした。
ボタン電池の接触不良がないかを確認致しましたのでご報告させて頂きます。
【結果】
ボタン電池フォルダの半田面にて両端間で2.5Vでておりましたので、接触不良では無いようです。
一旦、ボタン電池を外し(再度CMOSクリア)を行いました。
RTCエラー表示後(ビープ音1回)、BIOSを開くにはF2キーと表示されるので、F2キーを押下すると、やはり下記の画面になってしまいます。
--------------------------------------------
Phoenix SecureCore Tiano(TM)
Copyright 1985-2011 Phoenix Technologies Ltd.
All Rights Reserved
Copyright FUJITSU LIMITED 2011-2012
ハードディスク:TOSHIBA MQ01ABD100
ATAPI CD-ROM:PIONEER BD-RW BDR-UD02
任意のキーを押して終了。
----------------------------------------------
RTCエラー表示やビープ音を鳴らすこと自体、BIOSが動いている証拠だと理解はしているのですが・・・・
HDD/SSDの接続の有無、OSの有無とは無関係に・・・は、ご教授頂いた通りだと思います。
BIOS(レガシーBIOS)世代のMBでHDDなしでCMOSクリアを数十回となくやってきましたので、私も同意なのですが。
因みに、F2を押しながら、電源ボタン押下も上記画面になってしまいます。(ロゴ表示まで行きません)
一番最初にCMOSクリアを実施する前は、(HDDが故障していましたが)BIOS/UEFIの設定画面に入れたので、現在のこの症状はCMOSクリアが原因だとは思うのですが・・・
上記画面には何故かメモリの情報が上がってきていないことも気がかりの一つですが。
念の為、新品と交換したのですが、画面には表示されて来ませんでした。
CMOSクリアだけでMBが壊れるとは思えませんし、どうにも解せない状況です。
もう少し格闘してみます。
何かお気づきの点、アドバイス等ございましたら、
http://okbizcs.okwave.jp/fmv/questiondetail/?qid=9270758
に書き込んで頂けますと助かります。
ページ汚しの質問をしてしまい申し訳ございませんでした。
Re: UEFIについて
tarosa10さん
コメントありがとうございます。
先ず、ボタン電池の接触不良がないか確認して下さい。通常、CMOSクリア後に、電源を入れると、Flash ROMからNVRAM(CMOS)にUEFIが初期設定値の状態で読み込まれ、接続ディバイス等の情報も読み込まれて、その記憶はCMOS用電池で維持されるはずです。
また、BIOS/UEFIの設定は、HDD/SSDの接続の有無、OSの有無とは無関係に行うことができるのが、通常です。それらは、マザーボードのファームウェアなのですから。
そのLIFEBOOK AH77/JというPCの場合、BIOS/UEFIの設定に入るには、PCを一旦シャットダウンし、F2を押しながら、電源ボタンを押し、FUJITSUのロゴが表示され、短いビープ音が鳴ったら、F2から指を離します。
これで、BIOS/UEFIの設定画面が表示されると、マニュアルにあります。
CMOSクリアされていますので、必ずRTCの時刻を合わせて、必要な設定をして下さい。それから、OSをインストールすればよいと思います。
自作のPCと違い、市販のPCには何かと独自の振舞や操作方法があり、困ってしまいますね。
UEFI対応の市販のPCでは、CMOSクリアには注意した方がよいようです。よほどの不具合がない限り、CMOSクリアは避け、UEFI設定画面にあるLoad Setup Defaults等を行うに留めておくべきかもしれません。
コメントありがとうございます。
先ず、ボタン電池の接触不良がないか確認して下さい。通常、CMOSクリア後に、電源を入れると、Flash ROMからNVRAM(CMOS)にUEFIが初期設定値の状態で読み込まれ、接続ディバイス等の情報も読み込まれて、その記憶はCMOS用電池で維持されるはずです。
また、BIOS/UEFIの設定は、HDD/SSDの接続の有無、OSの有無とは無関係に行うことができるのが、通常です。それらは、マザーボードのファームウェアなのですから。
そのLIFEBOOK AH77/JというPCの場合、BIOS/UEFIの設定に入るには、PCを一旦シャットダウンし、F2を押しながら、電源ボタンを押し、FUJITSUのロゴが表示され、短いビープ音が鳴ったら、F2から指を離します。
これで、BIOS/UEFIの設定画面が表示されると、マニュアルにあります。
CMOSクリアされていますので、必ずRTCの時刻を合わせて、必要な設定をして下さい。それから、OSをインストールすればよいと思います。
自作のPCと違い、市販のPCには何かと独自の振舞や操作方法があり、困ってしまいますね。
UEFI対応の市販のPCでは、CMOSクリアには注意した方がよいようです。よほどの不具合がない限り、CMOSクリアは避け、UEFI設定画面にあるLoad Setup Defaults等を行うに留めておくべきかもしれません。
UEFIについて
UEFIについて情報を集めており、こちらにお邪魔させて頂きました。
「初期化について」、「UEFIについて」は大変詳しく情報が記載されており勉強になります。
質問をさせて頂いても宜しいでしょうか?
【状況】
UEFI環境のPC(Win8.1 64Bit)でHDDの物理的な故障に伴い新品のHDD(未割当ての状態)と交換し、ついでにMBのボタン電池交換(結果的にCMOSクリア)を行いました。
(CMOSクリアにより電源投入後NVRAM内のUEFI設定がデフォルトに書き換わる為か?、CD/DVD/USB ブートが出来ない状態)
CMOSクリアによりUEFI Boot Managerにブートエントリとして登録されたローダや起動順位などの情報がNVRAMから削除された状態だと思います。
ローダが存在しない場合、電源投入後自動的に接続ストレージの中からESPを探し出し、その中のOSローダを検出してNVRAMにブートエントリが再登録されることがあるということですが、新品のHDDの場合、HDD内にはESPが存在しないと思います。
また、efibootmgrを使ってOSローダをエントリに復活させることも可能とのことですが、CDブートが出来ませんのでLiveDVD等からのefibootmgrコマンドを使用することも出来ません。
何度電源を入れ直してもHDDアクセスランプ点灯状態(真っ黒な画面)からHDDアクセスランプ消灯と同時にPOSTが途中で止まったような画面になり、以降この画面から進めません。
具体的内容につきましては長文になってしまいますので、下記を参照頂けますと幸いです。
http://okbizcs.okwave.jp/fmv/questiondetail/?qid=9270758
【質問】
1.BIOS/UEFIメニューを表示させてCDブート可能なところまで持込む方法はないでしょうか?
2.他のPCの(UEFI環境のPC)HDDを一旦接続して起動させれば、BIOS/UEFIメニューまでは行けたりしないでしょうか?
以上、宜しくお願い致します。
「初期化について」、「UEFIについて」は大変詳しく情報が記載されており勉強になります。
質問をさせて頂いても宜しいでしょうか?
【状況】
UEFI環境のPC(Win8.1 64Bit)でHDDの物理的な故障に伴い新品のHDD(未割当ての状態)と交換し、ついでにMBのボタン電池交換(結果的にCMOSクリア)を行いました。
(CMOSクリアにより電源投入後NVRAM内のUEFI設定がデフォルトに書き換わる為か?、CD/DVD/USB ブートが出来ない状態)
CMOSクリアによりUEFI Boot Managerにブートエントリとして登録されたローダや起動順位などの情報がNVRAMから削除された状態だと思います。
ローダが存在しない場合、電源投入後自動的に接続ストレージの中からESPを探し出し、その中のOSローダを検出してNVRAMにブートエントリが再登録されることがあるということですが、新品のHDDの場合、HDD内にはESPが存在しないと思います。
また、efibootmgrを使ってOSローダをエントリに復活させることも可能とのことですが、CDブートが出来ませんのでLiveDVD等からのefibootmgrコマンドを使用することも出来ません。
何度電源を入れ直してもHDDアクセスランプ点灯状態(真っ黒な画面)からHDDアクセスランプ消灯と同時にPOSTが途中で止まったような画面になり、以降この画面から進めません。
具体的内容につきましては長文になってしまいますので、下記を参照頂けますと幸いです。
http://okbizcs.okwave.jp/fmv/questiondetail/?qid=9270758
【質問】
1.BIOS/UEFIメニューを表示させてCDブート可能なところまで持込む方法はないでしょうか?
2.他のPCの(UEFI環境のPC)HDDを一旦接続して起動させれば、BIOS/UEFIメニューまでは行けたりしないでしょうか?
以上、宜しくお願い致します。